ここまで、コミュニケーションとは何か、無意識と第一印象の影響、心をかける意味と現実を学んできました。次に必要なのは、「今の自分」を知ることです。
このセッションでは、4種類の簡単なセルフチェックを通じて、あなたのコミュニケーション傾向を多面的に見つめ直します。
ここで大切にしてほしいのは、正しい・間違っているではなく、今ここにいる自分を、優しく理解することです。
それでは、進めていきましょう!

1.コミュニケーション基本スタイル診断
あなたが対人関係でとりやすい基本スタイルを知るためのチェックです。
以下の質問に対して、「よくある」「たまにある」「あまりない」「ほとんどない」の4段階で選んでください。「ありたい自分」ではなく、「普段の実際のふるまい」で判断しましょう。
【 チェック項目 】
- 自分の意見を言うより、相手に合わせることが多い
- 気になることがあっても、波風を立てたくなくて言わない
- 相手に思ったことをはっきり伝えられる
- 相手の反応を恐れて、本音を抑えてしまう
- 意見が違っても、冷静に伝えようとする
- 感情的になってしまうことがある
【 判断の仕方 】
「よくある」「たまにある」という項目により、次の傾向がわかります。
- 受け身型:相手に合わせ、自分を抑えがち
- 攻撃型:相手に強く主張しすぎる傾向
- 調和型:穏やかだが、自己主張がやや弱い
- 率直型(アサーティブ型):自分も相手も尊重して伝えられる
まずは自分の傾向をざっくり把握しましょう。

2.コミュニケーション傾向タイプ診断
あなたの人との関わり方全体の傾向を知るためのチェックです。以下の質問に答え、「よくある」「たまにある」「あまりない」「ほとんどない」で選びましょう。
【 チェック項目 】
- みんなと協調しようと心がける
- 自分の考えをハッキリ主張する方だ
- 苦手な人間関係を避けることが多い
- 率先して指導したり、主導権を取ることが多い
【 判断の仕方 】
チェックの傾向から次のタイプがわかります。
- 協調型:和を重んじ、対立を避ける
- 自己主張型:自分の意見を積極的に表現する
- 回避型:面倒な対人関係を避けがち
- 支配型:相手を引っ張る、主導する傾向
どの傾向が今の自分に強いかを把握してみましょう。

3.心理的ポジション診断(ストローク経路)
無意識に取ってしまいやすい心理的な立ち位置を知るチェックです。以下の質問に直感で答えます。
【 チェック項目例 】
- 相手に対して、つい「上から目線」になってしまうことがある
- 相手の顔色をうかがって、自分が下手に出ることが多い
- 相手と対等な立場で自然に関われる
【 判断の仕方 】
あなたの無意識のポジション傾向が見えてきます。
- 上に立つ:支配的・指導的になりやすい
- 下に立つ:従属的・受け身になりやすい
- 対等:対等な目線で関係を築ける
自分がどの立場になりやすいかを意識すると、対人関係をより自然に調整できるようになります。

4.DISC理論ベース簡易診断
あなたの行動特性・コミュニケーションスタイルを4タイプから探ります。各質問に直感で答えます。
【 チェック項目 】
- リーダーシップを取ることが得意だ
- 感情表現が豊かで、人と打ち解けやすい
- 安定した人間関係を大切にする
- 細かいことまできっちり確認したい
【 判断の仕方 】
チェックの傾向から次のタイプがわかります。
- 主導型(D):行動力があり、リーダータイプ
- 感化型(I):明るく社交的、影響力が強い
- 安定型(S):穏やかで調和を重視する
- 慎重型(C):正確さや堅実さを大切にする
自分の強み・個性を認めながら、今後の対人関係に活かしていきましょう。

セルフチェックをふりかえろう
すべてのチェックを終えたら、次の問いかけに答えてみましょう。
【 自分への問いかけ 】
- どのチェックで、特に自分らしさを感じましたか?
- どのチェックで、新しい気づきがありましたか?
- これから意識したい変化は何ですか?
自分をジャッジせず、ただ静かに、「気づき」と「可能性」を受け取る時間にしましょう。

あなたは、すでに自分自身と向き合うための大きな一歩を踏み出しました。
この気づきを手に、次の章から、具体的なスキルを学び、実践していきましょう。