「この人とは、なぜか話しやすい」「この人には、自然と本音を話してしまう」、そんな相手に出会ったことはないでしょうか?
その背景には、「ラポール」という目に見えない「信頼の架け橋」が築かれている可能性があります。
このセッションでは、ラポールとは何か? なぜラポールが重要なのか? どうすればラポールを築けるのか? をじっくり学んでいきます。
ラポールとは何か?
ラポール(rapport)とは、フランス語で「架け橋」や「つながり」を意味する言葉です。
心理学、カウンセリング、コーチング、NLPなどさまざまな分野で、「相手と無意識レベルで信頼し合う関係」を表す言葉として使われています。
ラポールが築かれると
- 相手は安心して心を開く
- 自然体で話すことができる
- 互いに影響を与え合いやすくなる
逆に、ラポールがないと
- どんなに正しいことを言っても届かない
- 表面的な会話だけで終わってしまう
ということが起きてしまいます。
ラポールは「無意識」で感じ取られる
ラポールの特徴は、「頭で理解する」のではなく、「無意識で感じる」という点にあります。
相手が、自分を受け入れてくれているか? 安心できる存在か? 信じても大丈夫か? これらは、言葉だけでなく、声のトーン、表情、呼吸や身体のリズム、など、非言語的なサインから敏感に感じ取られています。
つまり、ラポール形成は、無意識同士の対話でもあるのです。
なぜ、ラポールが重要なのか?
ラポールが築かれると、人は自然と「安全基地」を感じます。
すると、防衛的にならずに話せる、素直な感情を表現できる、新しい視点や変化も受け入れやすくなるなど、深い対話や成長が起こりやすくなります。
特に、本音を聴きたい、相手に変化を促したい、信頼関係を長く築きたい、そんなときには、ラポールの存在が不可欠です。
ラポールが自然に築かれるとき
ラポールが自然に生まれるとき、そこには必ず、こんな要素があります。
ラポールが生まれる3つの条件
これらがそろうと、人は無意識に心を開き始めます。
安心感
相手が「自分を受け入れてくれている」と感じること。
共通点の感覚
話し方、考え方、価値観などに「似ている」と感じる部分があること。
信頼できる一貫性
相手が誠実で、言動にズレがないこと。

あなたがラポールを感じた体験をふりかえろう
小さなふりかえりをしてみましょう。
【 自分への問いかけ 】
- 「この人とは自然に心が通ったな」と感じた相手はいましたか?
- そのとき、どんな雰囲気ややりとりがあったでしょう?
- あなたは、その相手に対してどんな気持ちを持っていましたか?
思い出すことで、ラポールが築かれる空気感を自分の中に再認識できます。

ラポールとは、信頼と安心の橋をかけること。それは、言葉を超えて、態度や在り方、無意識のサインを通して築かれます。
このラポールがあるかどうかで、聴く力も、対話の深さも、まったく違うものになっていきます。
次のセッションでは、このラポールを意識的に築く技術──「ミラーリング」「ペーシング」などの具体スキルを学びます。