ミニ・プレゼンテーション実践

― 想いを伝え、願いを届ける

あなたが誰かに何かを伝えるとき──それは、自分の心を相手に届ける小さな“プレゼントのようなものです。

たとえば、あなたの中にこんな思いがあったとします。

  • 「こうしてくれると助かるな」
  • 「本当はこういう気持ちだった」
  • 「こんなふうにしてもらえたら嬉しい」

でも、その願いを言葉にしないまま、相手に「わかってほしい」とだけ思っていませんか?

このセッションでは、「自分は何を願っているのか」を言葉にし、それを「相手のためにもなる形」で伝える体験をしていきます。

「願いを伝える」ことは、わがままではない

多くの人がこう思っています。

  • 「お願いしたら迷惑になるかも」
  • 「こうしてほしいなんて、自己中心的じゃないかな」
  • 「言わなくてもわかってほしい…」

けれど、相手はエスパーではありません。言葉にしなければ、相手はあなたの本当の願いを知ることはできないのです。

そして何より──「あなたが何を求めているか」が明確になることで、相手も安心できるのです。相手への気づきや行動の「きっかけ」にもなります。

ミニ・プレゼンテーションの本質とは

本当の「プレゼンテーション」は、自分のために何かを売り込むことではありません。

相手のために「私はこう思う」「こうしてほしい」「これを大切にしている」という「自分の中心」を、やさしく、誠実に、相手に伝えることです。

それは、相手に対して「プレゼント」を差し出すようなもの。

  • あなたの気持ち
  • あなたの視点
  • あなたの願い
  • あなたの信じている価値観
  • 相手のためになる

あなたのプレゼントは、受け取った相手にとって、気づきや行動を変えるやさしい背中押しになったり、関係性を見直すヒントになったりするかもしれません。

以下のようなテーマから、あなたが伝えたいことを選び、「相手のためにもなる視点」を意識して表現してみましょう。

  • テーマ:「こうしてもらえたら助かります」
  • 視点の例:自分が快適に働けるだけでなく、全体がスムーズになる
  • テーマ:「私が大切にしていること」
  • 視点の例:それを知ってもらえると、協力し合いやすくなる
  • テーマ:「ちょっとお願いしたいこと」
  • 視点の例:相手の負担を減らし、良い関係を保つための工夫
  • テーマ:「ありがとうを伝えたい」
  • 視点の例:その言葉が、相手の励みになるかもしれない

PREP法やアイメッセージを使うと、構造が明確になります。

ミニ・プレゼンテーションの方法

あなたの「伝えたい願い」を整理するステップを練習をしてみましょう。

ステップ1:自分の中の願いを明確にする

  • 自分が相手に求めていることは何だろうか?
  • 最近「こうしてくれたら嬉しい」と思ったことは?
  • それは、どうしてそう思ったのか?

まずは自分自身が、「何を求めているか」「なぜそう思うか」を明確にしましょう。

ステップ2:PREP構成で整理してみる

ステップ1で明確になった願いを伝えてみましょう。

【 PREP例 】

  • P=結論:「私は、○○してもらえると嬉しいです」
  • R=理由:「なぜなら、△△だからです」
  • E=具体例:「たとえば□□のとき、こうだったので…」
  • P=再主張:「なので、○○してもらえると本当に助かります」

伝える相手の立場・気持ちも想像しながら書くと、より伝わりやすくなります。

声に出して伝えてみる

  • 声に出して練習してみましょう。
  • 相手に語りかけるように、気持ちを込めて。
  • 「願い」は、堂々と伝えていいものです。

その表現が、相手にとっても「気づき」や「安心」になることがあります。


プレゼンテーションとは、「自分の思いを、相手に伝え、共に前に進むための言葉」です。その本質は、単なる「欲」ではなくて、思いやりや愛や配慮です。

それを、押しつけではなく、プレゼントとして差し出す。それが、「ミニ・プレゼンテーション」の本質です。

次回は、言葉に「温度」を宿すもう一つの力、「感情を伝える表現力」を学びます。

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