~ 自分にとってちょうどいい関係のかたち
人と関わるうえで、私たちは無意識のうちに「距離感」をつくっています。
- なんとなく距離が近すぎて疲れる
- 距離を取りたいのに、うまく言えない
- 本当はもっと近づきたいのに、壁を感じてしまう
このセッションでは、あなた自身の人間関係の「地図」を描くことで、自分にとって適切な距離感を見つけ直す時間を持ちます。
人間関係に「正しい距離」はない
人との距離感は、人それぞれ。あなたにとって「ちょうどいい」と感じる距離は、誰かにとっては「近すぎる」「遠すぎる」と感じられるかもしれません。
だから大切なのは──
「他人に合わせる距離感」ではなく、「自分が心地よい距離感」を基準にすること。そのためにはまず、現状の関係性を可視化して把握することから始めましょう。
人間関係の距離感マッピング

紙とペンを用意してください。以下のステップに沿って進めます。
ステップ1:「自分」を中心に置く
紙の中央に「自分」と書き、丸で囲みます。
ステップ2:人間関係を書き出す
今のあなたの生活の中で関わりのある人を思い浮かべてください。
- 家族、パートナー
- 職場の人、友人、近所の人
- SNSやオンラインで関わる人など
それぞれ、直感的に感じる「距離感」に応じて、自分からの距離で配置してみてください。
- 「すごく近いと感じる人」→ 近くに
- 「ちょっと距離がある人」→ 少し離れた位置に
- 「あまり関わりたくない/避けたい人」→ 外側に
線を引いて「どういう関係か」を一言書き添えると、より理解が深まります。
ステップ3:気づきを書き出す
マッピングが終わったら、自分に問いかけてみましょう。
- 「この人とは、距離が近すぎるかも?」
- 「もっと距離を取りたい相手はいる?」
- 「本当はもっと近づきたいと思っている人は?」
- 「適切な距離を取れている相手は誰?」
気になる関係性については「どうしたら心地よい距離になるか」も考えてみましょう。
距離を調整するためのヒント
【 状況別の対応のヒント 】
- 近すぎてしんどい相手:「返信をすぐにしない」「予定を入れすぎない」「自分のスペースを優先」
- 遠すぎて寂しい相手:「自分から声をかける」「感謝や好意を言葉にする」
- 不安やストレスを感じる相手:「無理に接点を増やさない」「物理的・心理的に距離を取る」
- 自然体でいられる相手:「今の関係を大切に」「感謝や思いを改めて伝えてみる」
距離を調整することは、「相手を操作する」のではなく、自分の心と体を守る行為でもあります。

人間関係の距離は、日々変化していきます。
だからこそ、今の自分にとってどんな距離が心地よいのかを、定期的に見直していくことが大切です。あなたの心が安心し、リラックスできる距離を、大切にしてください。
次回は、このステップの総まとめ──「境界線を引く力」をこれからどう生かすかをふりかえるクロージングセッションに進みます。