感情とのつきあい方 ~ 感情は敵ではなく味方になる

あなたは、自分の感情にどんなイメージを持っていますか?

  • 面倒なもの?
  • やっかいでコントロールが難しいもの?
  • 出さないほうがいいもの?

それとも──

  • 人間らしさ?
  • 自分を守るセンサー?
  • 心と体の自然な反応?

多くの人が、感情に対して「出さないように」「抑えるもの」という印象を持ちがちです。けれど本来、感情はあなたの内側からの「ナビ」であり、人生の味方なのです。

感情は、心からのメッセージ

感情は、ただの気分ではありません。それは、あなたの内なる声があなた自身に語りかけているサインです。

たとえば

  • 怒り:「これは嫌だ」「大切なものが脅かされている」
  • 悲しみ:「何か大切なものを失った」
  • 不安:「先が見えない/備えが必要かもしれない」
  • 嬉しさ:「この状況は、自分にとって心地いい」
  • 安心:「ここには安全がある」

感情を無視したり押さえ込むと、自分自身の心の声も聞こえなくなっていきます。

私たちが感情に苦手意識を持つ理由

感情そのものが悪いわけではありません。ただ、その扱い方を学ぶ機会が少なかっただけなのです。

  • 感情を爆発させて、後悔した経験
  • 感情を出したら、否定された・拒絶された経験
  • 感情的になると「子どもっぽい」と言われた経験

こうした体験が、私たちを「感情は出さないほうが安全」という方向に導いてしまいます。でも、それは「感じない」ほうがいいというわけではないのです。

大切なのは、感情を「どう扱うか」「どう伝えるか」を学ぶこと。

感情との3つの関係タイプ

あなたは、ふだん自分の感情にどんなふうに接していますか?

抑圧タイプ
  • 特徴:感じても、見ないふり・無視する
  • 問題点:心身に負担が蓄積し、爆発のリスクも
爆発タイプ
  • 特徴:感情に任せてぶつけてしまう
  • 問題点:関係を壊しやすく、後悔が残る
整理・表現タイプ
  • 特徴:感情に気づき、言葉や行動で丁寧に扱う
  • 問題点:健康的・誠実な関係を育てる

目指したいのは「整理・表現タイプ」。まずは、感情に「気づいてあげること」から始めましょう。

あなたの感情の扱い方をふり返る

以下の問いに、今の自分の状態で答えてみてください。

  • 最近、強く感じた感情は何ですか? それは、どんな場面で、どんなふうに感じましたか?
  • そのとき、その感情をどう扱いましたか? (感じただけ/抑えた/出した/飲み込んだ/伝えた…)
  • もしもう一度その場に戻れるとしたら、どう対応したいですか?

自分の感情との距離感やクセに気づくことが、今後の土台になります。


感情は、あなたの敵ではありません。それは、あなたが「何を感じ、何を大切にし、どう生きたいか」を教えてくれる味方です。

これからこのステップでは──

  • 感情に「気づく」
  • 感情を「整理する」
  • 感情を「伝える」という3つのスキルを育てていきます。

次のセッションは、その第一歩として、「自分の感情に気づく力」=内側の変化をとらえる感性を育てるセッションに進みます。

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