喜びや感動を伝えること。それは、一見とても簡単なことのように思えるかもしれません。けれど──
- 嬉しい気持ちをうまく表現できなかった
- 感動を誰かに伝えるのが照れくさかった
- ありがとうや嬉しかったことを、スルーしてしまった
そんな経験はないでしょうか?
喜びや感動もまた「丁寧に扱うことで関係が深まる」大切な感情です。このセッションでは、ポジティブな感情を受けとめ、表現し、分かち合うことを学びます。
なぜ「良い感情」ほど、あえて表現する必要があるのか?
人は、ネガティブなことに意識が向きやすい生き物です。そのため、「いいこと」があっても、それを流してしまいやすいのです。
- 喜んだ瞬間に、すぐ次のことを考えてしまう
- 「これくらい普通」と思って流してしまう
- 「調子に乗ってると思われたらどうしよう」と控えてしまう
けれど、「うれしい」を伝えることで、関係はあたたかく、前向きなものへと育っていきます。
喜びや感動がもたらすもの
たとえば、次のように、ポジティブな感情を伝えると関係にもたらされるものがあります。
- 「うれしい」「ありがとう」「楽しかった」→ 相手も自分も満たされ、つながりが深まる
- 「感動した」「心が動いた」→ 共通の価値や感受性が育つ
- 「あなたといて安心できた」→ 安心・信頼の空気が生まれる
- 「あなたがいてくれて良かった」→ 承認されている感覚・存在の肯定感
これらは、言葉にしてはじめて伝わる「贈りもの」です。

喜びや感動を振り返ってみよう
- 最近、あなたが「うれしい」「楽しい」「心が動いた」と感じた出来事はありましたか? どんな場面で、誰と一緒に、どんなことが起こりましたか?
- そのときの感情を、今ここで言葉にするとしたら、どんなふうになりますか? (例:「本当にうれしかった」「安心できて、あたたかい気持ちになった」など)
- その気持ちを、誰かに伝えるとしたら、どんな言葉がしっくりきそうですか?
喜びや感動を言語化する練習は、「伝える力」を育てる第一歩です。
喜びを「伝える」表現のヒント
- 感謝を伝え:「ありがとう。本当に助かったよ」
- 楽しさを共有する:「一緒にいて本当に楽しかった」
- 感動を言葉にする:「その話、すごく心が動いた」
- 安心感を伝える:「〇〇さんといると、ホッとする」
ポイントは、「心の温度」を込めて、率直に、簡潔に伝えること。

喜びや感動は、人と人を結ぶ「光」のような感情です。それを受けとめ、伝えることは、あなた自身が「幸せに気づく力」を高め、相手との関係をあたたかくしていく力になります。
次のセッションは、ここまで扱ってきた「感情」の表現を、「言葉の選び方」や「伝えるタイミング」という技術面から整理していきます。