― 無理のない距離が、心を守る
「いい人でいたい」と、つながり続けていませんか?
- 「この関係を切ったら、冷たいと思われるかも」
- 「離れるなんて、自分勝手じゃないか」
- 「あの人は困っているのに、見捨てることになるんじゃないか」
こうした思いが頭をよぎり、無理にでも関係を続けてきたことはありませんか?
たとえ自分が疲れていても、「自分さえ我慢すれば」と、距離を取りたい気持ちを押し込めてきた人も多いでしょう。
けれど、すべての関係を「無制限、無期限に」に続ける必要はないのです。むしろ、関係に疲弊しているときこそ、一度立ち止まり、見直すタイミングかもしれません。
関係にも「賞味期限」がある
どんな関係にも、自然な変化の流れがあります。
- ライフステージの変化(進学、転職、結婚、引越しなど)
- 自分の価値観や関心の変化
- 相手の態度や関わり方の変化
最初は心地よかった関係も、時間が経つにつれて、違和感を抱くようになったり、会うと疲れるようになったりすることがあります。
そんなときに大切なのは、「変わった自分」を責めないことです。私たちは日々成長しており、関係もまた変わっていくものだからです。
距離をとることは「冷たさ」ではなく「健全さ」
たとえば、関係を見直すときに、距離をとる行動とその行動の意味は次のとおり。意味は「冷たさ」ではなくて「健全さ」を持つようにします。
- とる行動:応答の頻度を下げる
- 行動の意味:自分のペースを取り戻す工夫
- とる行動:会う回数を減らす
- 行動の意味:自己回復のための余白をつくる
- とる行動:はっきり伝える
- 行動の意味:誠実に境界線を引く勇気
- とる行動:つながりを一度終える
- 行動の意味:「これまでありがとう」の意思表示
自分の心と身体を守ることは、他者への敬意と同じくらい大切なことです。

あなたが「距離をとりたい」と感じた関係は?
自分に問いかけてみましょう。
- その関係で、何に疲れを感じていましたか?
- つながっていたことで、あなたは何を犠牲にしていたかもしれませんか?
- 「続けないほうが、よかった」と思えた関係には、どんな共通点がありますか?
距離をとる・関係を終えるという選択が、あなたにどんな意味を持つのかを振り返ってみましょう。

関係の「終了」は、新たなスペースをつくります。新たな始まりのための「空白」が生まれます。その空白は、未来のあなたにとって、より健やかな関係が入ってくるためのスペースとしましょう。
次のセッションでは、「関係を終えるときの心の整理と向き合い方」について考えていきます。