心のセルフケアとは何か?

心を整える第一歩を知る

セルフケアとは通常、「自分で自分の体や心をいたわること」を指しますが、このプログラムの「心のセルフケア」とは、単にリラックスしたり気分転換をすることだけではありません。

もっと本質的な「自分の心とつながり、心の状態に気づき、必要な手当てをしてあげること」を意味しています。

心も体と同じように、疲れたり傷ついたりします。それに気づかず無理を続けていると、やがて心のバランスが崩れてしまいます。

なぜ「心のセルフケア」が必要なのか?

心はとても柔らかく、繊細です。

さまざまな出来事や人間関係、社会のプレッシャーの中で、知らず知らずに負担を抱え込み、「がんばり続けること」が当たり前になってしまうことがあります。

気づかぬうちに──

  • 小さなストレスが積み重なり
  • 感情がうまく処理できず
  • 自分を責める思考がクセになり
  • やがて「生きづらさ」という形で現れてくる

そんなとき、私たちは「もっと頑張らなきゃ」と自分を追い込むのではなく、「ちょっと立ち止まって、心の声に耳を傾ける」ことが必要です。

心のセルフケアでできること

心のセルフケアを意識的に行うことで、次のような変化が起こりはじめます。

  • ストレスに気づきやすくなり、対処できるようになる
  • 感情の波に振り回されにくくなる
  • 自分を責めるクセにブレーキをかけられる
  • 「本当の自分」が何を感じ、何を望んでいるかが見えてくる
  • 少しずつ自己理解が深まり、自分にやさしくなれる

これから取り組むこと

このステップ1では、あなたの心の現在地をやさしく見つめるために

  • ストレスチェック
  • 感情パターンのふりかえり
  • 思考と行動のクセの観察
  • 自分の心の履歴をふりかえる作業

などをしていきます。

どのワークにも「正解」はありません。

あなたの心に湧いてくる言葉を、そのまま受け止めることが大切です。うまくいかなくても、自分を責めないでください。気づこうとすること、そのものが、心のセルフケアです。

「あなたにとって“心をケアする”とは?」

では、この講義でのワークです。次を考えてみて、ノートに自由に書いてみましょう。

  • あなたにとって「心のケア」とは、どんなイメージですか?
  • 最近、自分の心に「休息」や「いたわり」を与えた瞬間はありましたか?
  • 心が疲れたとき、あなたはどんなサインに気づきますか?

書いていくうちに、自分自身の心に対する向き合い方が、少しずつ見えてきます。