湧きあがる気持ちは、あなたへのメッセージ
感情は、あなたを守るために生まれている
私たちは、日々、さまざまな感情を感じながら生きています。
うれしい、楽しい、安心する……そんなプラスの感情だけでなく、怒り、不安、悲しみ、さみしさといった「マイナスの感情」も当然湧きあがります。
ときには、こう思うかもしれません。
「こんな感情、なければいいのに」
「こんな風に感じてしまう自分がイヤだ」
でも、あなたの感情は、あなたの敵ではありません。あなたのすべての感情は、あなた自身を守り、助けようとして生まれているメッセージなのです。
よく感じる感情には、パターンがある
実は私たちは、それぞれに「感じやすい感情のパターン」を持っています。
たとえば──
- すぐ怒りを感じる
- すぐ不安になる
- すぐ自己嫌悪に陥る
- すぐ孤独を感じる
どの感情が湧きやすいかは、あなたのこれまでの経験、考え方のクセ、環境、性格などに深く関係しています。よく感じる感情を知ることは、自分を深く理解する入り口です。
感情のパターンを知る意味
- どんなときに、どんな感情が湧くのかを知ることで
- 「その背景にある本当の願いや気持ち」「解決できていないこと・した方がよいこと」に気づけるようになります
たとえば、怒りが強い人の根っこには、「わかってほしい」「大切にされたい」という願いが隠れているかもしれません。
悲しみが強い人の心の奥には、「つながりを求める気持ち」があるかもしれません。
感情は、心からのメッセージなのです。

わたしの感情パターンを探してみよう
ノートに、次の質問に答えてみましょう。
- 最近感じた「強い感情」を3つ書き出してください。
(例:怒り、不安、悲しみ、焦り、孤独感…)
- その感情は、どんな場面で湧きましたか?
(例:誰かに否定されたとき、うまくいかなかったとき、急かされたとき)
- その感情の裏に、どんな思いが隠れていそうですか?
(例:認められたかった、安心したかった、自由でいたかった)
自由に書いてみてください。
正解を探さなくて大丈夫です。心に浮かんだ言葉を、やさしく拾いあげるだけでいいのです。
感情に寄り添うことから、自分との信頼関係が始まる
ネガティブな感情は、抑え込んだり否定したりするほど心の奥にたまって、後から大きな苦しみとなって表れます。大切なのは、「そんなふうに感じている自分がいるんだな」と気づいてあげること。
たとえ怒りでも、不安でも、悲しみでも。それは、あなたの大切な一部です。
感情に寄り添うことは、自分を信じる力、自分とつながる力を育てることにつながります。

- 感情は敵ではない。あなたを守るためのメッセージ
- 自分の「感じやすい感情パターン」を知ることは自己理解の入り口
- 感情の裏には「本当の願い」「問題・課題」が隠れている
- 感情に寄り添うことで、自分との信頼関係が育つ