~ 過去をふりかえり、心の流れを見つめる
あなたの心には「歩み」がある
私たちの心は、生まれてから今日まで、たくさんの経験と感情を重ねてきました。
- うれしかったこと
- 悲しかったこと
- 苦しかったこと
- 誇らしかったこと
それら一つひとつが、今のあなたをつくっているかけがえのない「心の履歴」です。
この講義では、その歩みを「人生曲線」として、やさしくふりかえってみます。
なぜ、人生曲線を描くのか?
- 自分がどんな出来事に喜びを感じ、どんなことで傷ついてきたかを整理するため
- これまでの「心の流れ」を見える化して、自己理解を深めるため
- 過去を受けとめ、新しい未来への一歩を踏み出すため
過去を振り返ることは、後悔や反省をするためではありません。
「ああ、私はこんなふうに生きてきたんだ」と、自分をまるごと受けとめるための作業なのです。

わたしの人生曲線を描こう
1. 紙に、横長の線(水平線)を一本引きます。
- 左端を「0歳」、右端を「現在の年齢」とします。
2. その上に、感情の浮き沈みを曲線で描きます。
- 楽しかった・うれしかった時期は上に
- 苦しかった・つらかった時期は下に
- 波線のように自由に、あなたの「心の流れ」を描いてみてください。
(ざっくりでOKです。完璧に思い出す必要はありません)
3. 主な出来事や心に残っていることをメモします。
- どんなできごとがあった?
- そのとき、どんな感情があった?
簡単な言葉でOKです。思いつくまま書き添えていきましょう。
ふりかえりの問い
人生曲線を描いたら、少しだけふりかえってみましょう。
- どんな時期が一番つらかった?そこから、どう回復してきた?
- どんな瞬間に、心が一番輝いていた?
- これまでの自分に、今どんな言葉をかけてあげたい?
この作業を通して、「私は、たくさんのことを乗り越えてきたんだな」、そんな自分への尊敬やいたわりが、静かに芽生えるかもしれません。
過去の出来事は変えられないけど「意味」は変えられる
出来事そのものは変えられないかもしれません。
でも、その出来事に「どんな意味を与えるか」は、今のあなたに委ねられています。
- つらかった経験は、あなたのやさしさを育てたかもしれない
- 悲しかった別れは、あなたに人を大切にする心を教えてくれたかもしれない
「すべての経験が、今のわたしをつくっている」、そう受けとめることができたとき、過去は、あなたを縛るものでなく、あなたを支える力に変わります。

- 人生には、心の浮き沈みという「流れ」がある
- 人生曲線を描くことで、心の歩みを見える化できる
- 過去を受けとめることは、未来を変える力になる