出来事のとらえ方を変える:着眼点

同じ出来事でも、どの点から見て解釈するかによって、心が受ける影響、得られるものは違います。

視点の違いによってどのように影響、得るものかが違うかを知って、解釈の視点を意識的にコントロールできるようになりましょう。

出来事を解釈する5種類の視点

例えば「A社のBさんに新商品Cの売り込みをして断られた」という出来事は、次の5種類の異なる視点で、例えば次のように異なる解釈になります。

① 環境の視点で解釈

  • 今のA社にはCは必要なかった
  • Bさんは新しいものを好まないから売れなかった
  • Cは新商品で理解されにくいから売れなかった

② 行動の視点で解釈

  • 今回は資料づくりを中途半端にしてしまった
  • 売り込みをしたタイミングが今回は悪かった

③ 技術や能力の視点で解釈

  • プレゼンや交渉の力が足りなくて売れなかった
  • パワーポイントのプレゼン資料がまだ下手だ

④ 価値観の視点で解釈

  • 私はCのような商品が好きではないからだ
  • 私は人に物を売り込むことは本当はいやしいことだと思っている

⑤ 自分の人間性や人格の視点で解釈

  • 私は人に好かれない人間だから売れない
  • 私はいつもタイミングが悪い人間だ

視点のコントロールの方法

上記の例のマイナスのような出来事の場合と、そうではなく成功などプラスの出来事の場合で、解釈の視点のコントロールは異なります。

失敗などマイナスのような出来事の場合

⑤の視点での解釈は、落胆が大きく行動できなくなるのでしないようにします。⑤の視点で解釈していたら、①~④の視点の解釈に移行すると楽になり、改善の判断・行動もしやすくなります。

①~④の視点の解釈ならば、人間性や人格は否定されず落ち込まず、要因分析にもなりますから、失敗などマイナスのような出来事は①~④の視点で解釈するようにします。

成功などプラスの出来事の場合

そういう出来事のたびに⑤の視点で自分の人間性や人格をプラスに解釈するようにしていると、自分を肯定することになって自己肯定感を高められ、明朗で心の強い人になっていかれます。

例えば上記の例で逆に売込みが成功したとすると、「よし!自分は人に好かれるなぁ!」「私はタイミングの魔術師!」等と自分を大きくプラスに解釈して肯定します。

そして、それから成功などのプラスの出来事の要因分析を①~④の視点ですれば、プラスの出来事を繰り返すことを可能にします。