リフレーミング(reframing)とは、出来事、物事をとらえている枠組み (frame) を新たにする (re)ことで、とらえかたを変えて、考え方やあり方や生き方を健全にポジティブなものにしていくことです。
NLP(Neuro Linguistic Programing、神経言語プログラミングと言う)の概念の1つです。
NLPはカリフォルニア大学のリチャード・バンドラーとジョン・グリンダーに1970年代に提唱されました。自己改革や人間関係の改善に広く活用されています。
リフレーミングの5種類の方法
前ページの講義で6つの方法を紹介しましたが、ここでは5種類とした説明も紹介しましょう。
視点を変えたり、焦点をずらしたり、解釈を変えたり、今までの考えとは違った角度からアプローチして、出来事、物事をとらえる枠組みを新たにして、考え方を柔軟にしたり前向きにします。
1.言葉のリフレーミング
言葉の言い換えです。一つの意味合い・印象を持つ言葉を別の意味合い・印象を持つ言葉でとらえなおす方法です。
例
- 神経質 → 細かいことに気がつく、慎重、几帳面
- 頑固 → 「自分」をもっている、意志が強い、正義感が強い
※後のページに「リフレーミング辞典(参考)」を掲載してあります。
2.時間軸のリフレーミング
時間軸(過去、現在、未来)を活用して、物事への考え方やとらえ方をかえる方法です。次の2種類があります。
今でよかったというリフレーミング
例えば「今、問題が見つかってよかった」「今のうちに困難な出来事を経験できて良かった」と、過去や現在の失敗や困難、問題に対して、「今でよかった」と感じる言葉にして、心がマイナスになるのを防ぎ上向くようにします。
未来から見たリフレーミング
過去、現在を未来のための過程の一部、成長の機会として考え、失敗や困難、問題を乗り越えたり、さらにそれを良き未来のための種にするようにします。
例えば「5年後から見たら今の苦労はどう見えるだろう?」「この失敗が未来の成功ためだとしたら何を学べるだろう?」等という視点になることで、そうします。
3.「As if」 のリフレーミング
英語の「As if」は「まるで〜であるかのように、〜するかのように」という意味を持ちますが、「もし~だったら」「仮に~できたら」など、ある状況や立場を仮定して新たな視点を得る方法です。
例えば「仮に私が尊敬する〇〇さんだったら、この障害をどうかするだろうか?」「もし、神がいて良いことを1つすれば願いを1つ必ずかなえてくれるとしたら、何をするか?」等と考えてみることで新たな視点、意識での思考を可能にします。
4.解体するリフレーミング
物事を細かく分解して確認していくことで状況を明確にして、不必要に心をマイナスにすることを防いで、解決策・改善策を見つけやすくする方法です。
例えば「自分はダメ人間だ」と自己評価している場合、具体的に「どんな点がだめなのか」「何の能力が欠けているのか」「どんな場面でそう感じるのか」「ダメではない点は何か」等と分解するようにして考えるようにします。
5.Want のリフレーミング
過去・現在の状況に意識をとらわれて心が沈んだり、思考がせばまっているとき、本質を見失っているとき、またそうならないために、理想の状態へと視点を向ける方法です。
「本当はどうしたい?」「本当はどうありたい、どうなりたい?」という質問を通じて、望み・理想を明らかにします。そうして心を軽くし意欲を高めます。
そして「そのためには何をすればいい?、何があればいい?」という質問を続ければ、状況の解決策・改善策を見つけるきっかけ、そのための行動を起こすきっかけになります。