思考・感情・行動の連鎖を知る
現実と感じ方は別もの
たとえば、同じ雨の日でも──
- 「うわぁ、最悪だ。気分が落ちる」と思う人もいれば
- 「静かで落ち着くな」と感じる人もいます。
また、同じ失敗でも──
- 「やっぱり自分はダメだ」と落ち込む人もいれば
- 「いい経験になった」と前向きに捉える人もいます。
ここで大切なことは、現実(出来事)が直接、心に影響しているわけではないということです。
私たちの感じ方は、「出来事そのもの」からではなく、それをどう「考えたか」によって変わるのです。
心は、この順番で動いている
私たちの心の流れはシンプルです。
【 出来事 】
↓
【 思 考 】(意味づけ・解釈)
↓
【 感 情 】(気持ちの反応)
↓
【 行 動 】(反応・振る舞い)
この順番に気づかず無自覚でいると、私たちはしばしば感情に振り回されてしまいます。「感情に振り回される人生」になってしまいます。
いっぽう、この流れ・連鎖を理解し気づくことができれば、思考を整え、感情を落ち着け、行動を選び直すなどのことができる可能性が生まれてきます。
心のセルフマネジメントが可能になっていきます。
思考が変われば、感情も行動も変わる
たとえば、何かに失敗したという出来事のときの、こんな2つの思考の違いを比べてみましょう。
思 考 | 感 情 | 行 動 |
---|---|---|
「自分は何をやってもダメだ」 | 落ち込み、無力感 | 何も行動できなくなる |
「うまくいかなかった部分を次に活かそう」 | 希望、前向きな気持ち | 改善のために行動する |
違うのは、出来事そのものではなく、「思考(意味づけ・解釈)」です。
つまり、思考を変えることは感情と行動、ひいては「人生の流れ」そのものを変える力があるのです。

思考 → 感情 → 行動をふりかえろう
最近あった出来事の中から、一つ印象に残っているものを思い出してみてください。
それを次のフレームで整理してみましょう。
出来事 | そのときの思考 | 感じた感情 | とった行動 |
---|---|---|---|
(例)仕事でミスをした | 「やっぱり自分はダメだ」 | 落ち込み、不安 | 次の仕事が手につかなくなった |
このワークで「自分の思考が感情と行動にどう影響しているか」や「自分の反応のパターン」を可視化できます。
今日からできる第一歩
「思考に気づく」習慣を
今日から、ちょっと意識して過ごしてみてください。
- 「今、私はどんな考え方をしてるかな?」
- 「この感情の背景には、どんな思考があるんだろう?」
- 「私がこの言動をしたのは、どう思っているから?」
そうやって心の流れに気づけるだけで、自分自身との距離感が変わり始めます。
あなたは、思考を変える力を持っています。このステップで、その力を育てていきましょう。

- 出来事そのものより「どう考えたか」が感情・行動を左右する
- 思考 → 感情 → 行動の流れに気づくことが、変化の第一歩
- 思考を整えれば、感情も行動、そして人生さえも変わり始める