〜「ものの見方」を変えるだけで、心は軽くなる
リフレーミング(Reframing)とは、ある出来事や状況の「枠組み(フレーム)」を変えることで、それに対する意味づけや感じ方を変える技術です。
簡単に言えば──
リフレーミングとは「同じ出来事を、別の角度から見直してみること」
リフレーミングができると、苦しかった状況にも新しい意味を見出し、心の自由度を高めることができるようになります。
なぜ、リフレーミングが効果的なのか?
私たちが感じるストレスや苦しみの多くは、「出来事そのもの」ではなく、その出来事に与えた「意味づけ」によって生まれています。
たとえば──
- 「失敗した=終わりだ」と思えば絶望感が生まれる
- 「失敗した=学びのチャンスだ」と思えば前向きになれる
つまり、意味づけを変えれば、心の反応も変わるのです。
そしてリフレーミングは、ビリーフを書き換えたあとの日常実践法として、非常に役立つ技術です。
リフレーミングの6つの方法と具体例
① 状況リフレーミング(出来事の見方を変える)
出来事自体は変わらないけれど、その意味づけや捉え方を変える方法です。
例:
ネガティブな捉え方 | リフレーミングした見方 |
---|---|
失敗した → 「私はダメだ」 | 失敗は成長のための重要な一歩だった |
友達に無視された → 「嫌われた」 | 相手が忙しくて余裕がなかったのかもしれない |
体調を崩した → 「情けない」 | 身体から「もっと休んで」とサインが出た |
② 資質リフレーミング(性格の意味づけを変える)
自分の性格や特徴の「短所」を、違う角度から「長所」として再評価する方法です。
例:
ネガティブな特徴 | リフレーミングした特徴 |
---|---|
心配性 → 「不安でいっぱい」 | 先を見越してリスク管理できる慎重さ |
頑固 → 「融通が利かない」 | ぶれない信念を持っている |
おせっかい → 「人に干渉しすぎる」 | 人に対する深い思いやりがある |
感受性が強い → 「傷つきやすい」 | 繊細な感性と他人への共感力がある |
③ 未来リフレーミング(将来の視点で見直す)
今の苦しみを、未来の自分が振り返ったときの視点で捉え直す方法です。
例:
今の苦しみ | 未来リフレーミング |
---|---|
仕事で失敗した | あのときの失敗がなかったら今の成功はなかった |
恋愛で傷ついた | あの別れがあったから、本当に大切な人と出会えた |
自信を失った時期 | 迷った時間があったから、本当にやりたい道を見つけられた |
④ 視点変更リフレーミング(他人や未来の自分の立場で見る)
別の立場(他人・未来の自分・第三者)になりきって出来事を捉え直す方法です。
例:
自分の視点 | 視点を変えた見方 |
---|---|
部下に失礼な態度を取られた(怒り) | もしかしたら部下はプレッシャーでいっぱいいっぱいだったのかもしれない |
上司に冷たくされた(悲しみ) | 上司も別の問題を抱えていて余裕がなかっただけかもしれない |
大失敗して落ち込んだ自分 | 10年後の自分から見れば、「たいしたことなかった」と笑っているかも |
⑤ 仮説リフレーミング(別のストーリーを作る)
今抱えているストーリー以外に、もうひとつ別の可能性を仮説として立ててみる方法です。
例:
思い込み | 別の仮説 |
---|---|
メッセージが既読無視された → 嫌われた | ただ忙しいだけだった、返信のタイミングを逃しただけかもしれない |
仕事の依頼を断られた → 信頼されていない | 相手のキャパオーバーで断っただけかもしれない |
過去に助けてもらえなかった → 見捨てられた | 相手にも助けたくても助けられない事情があった |
⑥ ポジティブ反転リフレーミング(短所を長所にひっくり返す)
あえて「マイナス」を「プラス」に言い換える発想の転換トレーニングです。
例:
短所に見えること | 長所に反転 |
---|---|
打たれ弱い | 繊細さゆえに他人の痛みに寄り添える |
怒りっぽい | 正義感が強く、違和感に敏感 |
優柔不断 | 慎重に考え、多角的に物事を見る力がある |

あなたのリフレーミング練習
最近、ネガティブに感じたことを思い出して、上記の6つのどれかの方法でリフレーミングしてみましょう!
【 ワーク記入例 】
出来事 | ネガティブな意味づけ | リフレーミングした意味づけ | 使用したリフレーム技法 |
---|---|---|---|
ミスをしてしまった | 自分は無能だ | ミスを通して次に成長できる | ①状況リフレーミング |
プレゼンで緊張した | 自信がない証拠だ | それだけ本気で取り組んでいた証拠だ | ②資質リフレーミング |
リフレーミングは「心の柔軟体操」
リフレーミングは、「起きた出来事を変えなくても、感じ方を変えることはできる」という心の柔軟性を育ててくれます。
続けていくうちに
- ストレスが軽くなる
- 不安や怒りに振り回されにくくなる
- 失敗やトラブルから学びを見つけられる
そんな、しなやかで強い心が育っていきます。

- リフレーミングは「ものの見方」「意味づけ」を変える技術
- 状況・資質・未来・視点変更・仮説・ポジティブ反転、6つの方法がある
- 感情に巻き込まれず、心に自由なスペースを作ろう