〜 心を苦しめる「思い込み」を手放すために
考え・思いを変える、リフレイミングのための引き出しはさまざま持っていてると良いですから、さらに引き出しを増やしましょう。
「事実」と「解釈」は違う
私たちは、目の前で起きた「出来事(事実)」に反応しているようで、実は──その出来事に対して自分がつけた「意味(解釈)」に反応していることがほとんどです。
たとえば──
- 【 事実 】上司に仕事のミスを指摘された
- 【 解釈 】「上司は私を嫌っている」と思った
この【 解釈 】が苦しみを生み、不安や怒り、自己否定へとつながっていきます。
事実と解釈を分ける力を育てよう
もし、出来事と解釈を明確に区別できるようになったら──
- 必要以上に感情に巻き込まれなくなる
- ものごとを冷静に受けとめられる
- 思考と感情を整理して、自分を取り戻せる
つまり、心の自由度が格段に上がるのです。
これが、今回のワークの目的です。
事実と解釈を分けるステップ
1. 出来事を書く(事実のみ)
できるだけ誰が見ても同じだとわかる事実だけを書きます。
ポイント:「○○と言われた」「○○が起きた」という客観的な記述にする。
2. 自分の「解釈・意味づけ」を書く
その出来事について、自分がどんなふうに「意味づけたか」「受け取ったか」を書き出します。
ポイント:
- 感情が乗った表現
- 推測や憶測が混じった内容
これらが「解釈」です。
3. 客観的に見直す
- その解釈は本当に「事実」に基づいている?
- 他にどんな見方ができるか?(リフレーミング)
と問いかけてみましょう。

わたしの出来事を分けてみよう
【 ワーク記入例 】
出来事(事実) | 解釈(意味づけ) | 新たな視点・リフレーミング |
---|---|---|
上司に「ここ直して」と言われた | 「ダメな人間だと思われた」 | 「仕事の質を高めるための指摘だった」 |
メールの返信が遅い | 「無視されている、嫌われた」 | 「忙しいだけかもしれない」「忘れているだけかも」 |
誰かに冷たい態度を取られた | 「自分のことが嫌いなんだ」 | 「相手自身がイライラしていたのかも」 |
最初は難しくても大丈夫
このワークをしていると、最初はどうしても「事実」と「解釈」がごちゃまぜになります。
それでいいのです。大切なのは
- 「今、私はこう解釈しているんだな」と気づくこと
- 解釈にとらわれすぎず、他の可能性を考える余裕を持つこと
この練習を繰り返すうちに、自然と「出来事」と「意味づけ」を分けて捉える力が育っていきます。
「事実に立ち返る」と心が落ち着く
感情が大きく揺れたときは「今、目の前で本当に起きたことは何か?」に立ち返ってみましょう。
- 起きた事実だけを見る
- 意味づけや想像をいったん横に置く
これだけで、心の中に「静けさ」と「広がり」が生まれます。

- 私たちは「出来事」ではなく「解釈」に苦しんでいることが多い
- 事実と解釈を分ける練習をすることで、心の自由度が上がる
- 感情に巻き込まれそうなときは「本当に起きた事実」を確認しよう