思考にやさしくツッコミを入れる技法

心の暴走にそっとストップをかける

心、思考は暴走しやすい

人の心は、放っておくと──

  • 「どうせうまくいかない」
  • 「やっぱり私はダメだ」
  • 「また失敗するに違いない」

と、あっという間にネガティブなストーリーを膨らませてしまいます。

これを無理に押さえ込もうとすると、かえって苦しくなります。

大切なのは、「やさしくツッコミを入れる」こと。暴走する思考を、否定せず、責めず、やわらかく受け止めながら、立ち止まる技法を身につけましょう。

なぜ「やさしくツッコミを入れる」のか?

  • 思考を「敵」扱いせず、「ただの心のクセ」として扱うため
  • 思考に巻き込まれすぎず、「少し距離を取る」ため
  • 感情に支配されずに、自分を取り戻すため

怒ったり、強引に「考え直そう」としなくても大丈夫です。

やさしいツッコミで、心のスペースを広げていきましょう。

やさしいツッコミの5つの例

① 「本当に??」とやわらかく疑う

ネガティブな考えが浮かんだら、すぐに信じ込まずに、そっと問いかけます。

例:「どうせ失敗するに決まってる」
  → 「ほんとに? 確定?」

② 「それ、証拠ある?」と軽く確認する

思考がどんどん膨らむとき、現実に戻るためのやさしいツッコミです。

「みんな私を嫌っている」
  → 「その証拠、今どこにある?」

③ 「ちょっと大げさかも?」と微笑む

極端な思考(白黒思考)に気づいたら、笑いを交えてツッコミます。

「こんなミス、人生終わった!」
  → 「ちょっと大げさじゃない?(笑)」

④ 「もっと他の見方ないかな?」と広げる

リフレーミングのきっかけを作るツッコミです。

例:「やっぱり向いてない」
  → 「他にどんな可能性があるかな?」

⑤ 「そりゃ落ち込むよね」と共感してからリセット

思考に巻き込まれそうなとき、まずは自分に寄り添ってから、そっと立て直します。

「もう何もかもイヤだ」
  → 「そりゃ今はつらいよね。
    でも、これが永遠に続くわけじゃない」

今日の思考にツッコミを入れてみよう

今日1日の中で、浮かんだネガティブ思考に、上記のどれかのやさしいツッコミを入れてみましょう。

【 ワーク例 】

ツッコミは「ダメ出し」ではない

ここで大切なのは、ツッコミ=攻撃ではないということです。

やさしく、ユーモラスに、「ちょっと違うかもね〜」くらいの軽さで問いかけます。

その軽さが、心の柔軟さと回復力を育てるのです。


  • ネガティブ思考に巻き込まれそうになったら、「やさしいツッコミ」で一呼吸
  • ツッコミは、敵対するのではなく、心にスペースを作るためのもの
  • 思考と感情に飲み込まれず、自分自身とつながる力を育てよう