~ 内なる批判者と、そっと距離をとる
心の中にいる「厳しい声」
誰の心の中にも──自分を責める、自分を否定する、自分を追い込む、そんな「内なる批判者」が住んでいます。
この厳しい声は
- 「なんでこんなこともできないんだ」
- 「もっと頑張らないとダメだ」
- 「どうせお前には無理だ」と、まるで自分にムチ打つように話しかけてきます。
この声は、どこから来たのか?
この内なる声は、もともとは「より良く生きるため」に役立っていたこともありました。
たとえば──
- 子どもの頃に親や先生から叱咤された言葉
- 失敗を恐れて自分を奮い立たせた記憶
- 社会の期待に応えようとした努力
でも、成長した今もその声が無意識に響き続けると
- 自分を過剰に責めたり
- 必要以上に不安になったり
- ちょっとした失敗で大きく落ち込んだり
心を痛め続ける原因になってしまうのです。
たとえば、こんな「厳しい声」
こんなふうに、自分に話しかけていませんか?
- 「もっと完璧にやらなきゃダメだ」
- 「こんなミス、普通ありえない」
- 「努力が足りない。怠けている」
- 「他の人はもっとちゃんとしているのに」
- 「こんな自分じゃ、誰にも認められない」
これらはすべて、内なる批判者の声です。
まずは「気づく」ことがスタート
この講義で大事にしたいこと──それは「厳しい声」を無理に消そうとしないことです。
- まずは、その存在に気づくこと
- 「あ、今また批判してるな」と観察すること
- その声と、自分をそっと「距離をとって見る」こと
それが、やさしく心を解きほぐしていく第一歩になります。

わたしの中の「厳しい声」をキャッチしてみよう
【 自分への問いかけ 】
- 最近、自分に対してどんな厳しい言葉をかけていましたか?
- それは、どんな状況で出てきましたか?
【 ワーク記入例 】
状 況 | 自分にかけた厳しい言葉 |
---|---|
仕事で小さなミスをした | 「こんなこともできないなんて終わってる」 |
人間関係でうまくいかなかった | 「自分はダメな人間だ」 |
気づけたら、やさしく声をかけてみよう
批判者の声に気づいたら、すぐに否定したり、戦ったりする必要はありません。
ただ、そっとこうつぶやいてあげてください。
「わかってるよ。わたしはもう、そんなに自分を責めなくていいんだよ。」
そんなやさしい自己対話が、心の回復と成長の扉を開いていきます。

- 誰の心にも「内なる批判者(厳しい声)」が存在している
- その声は、過去の経験から身についたもの
- まずは気づき、無理に消そうとせず、そっと距離をとることが大切