私たち人は、出来事や物事に直接的に反応しているのではありません。


出来事や物事に対して、どう感じるか、判断するか、行動するかなどの結果の反応は、下の図のようにビリーフに影響された解釈によります。


ビリーフはビリーフシステムとも言われ、信念体系と訳されますが、それぞれの人がその時に持っている信念、価値観や先入観、思いこみなどです。
ビリーフは人によって違います。また同じ人でも固定的なものではなくて変わります。ですから、同じ出来事や物事に、人それぞれ、同じ人でも時によって違う反応、感じ方や判断、行動になります。
あなたも人も反応はそれぞれのビリーフしだいです
ビリーフによって反応が変わることを、いくつか比較の例で理解してみましょう。
例1
出来事:新しい仕事への異動が決まった
- Aさんは、新しい仕事は不安というビリーフを持っている
→ それで、Aさんはイライラしている
- Bさんは、仕事が変わるのは新しいチャンスというビリーフを持っている
→ それで、Bさんは喜んでいる
例2
出来事:挨拶したが挨拶を返してもらえなかった
- Aさんは、自分は人に好かれないというビリーフを持っている
→ それで、また嫌われているのではないかと不安になった
- Bさんは、自分や他者を肯定するビリーフを持っている
→ それで、ただ気がつかなかったんだなと思った
例3
出来事:Cさんがウソをついた
- Aさんは、ウソは自分を守るためというビリーフを持っている
→ それで、Cさんはしたことをごまかすためにウソをついたと思う
- Bさんは、ウソは他者を守るためというビリーフを持っている
→ それで、Cさんは誰かをかばってウソをついたと思う
私たちは、事実に反応してるのではありません
私たちは「自分は事実がわかっている、それに正しい反応をしている」と思う傾向がありますが、上記の例でわかるように反応はビリーフによる解釈によって起きています。
自分は自分のビリーフで反応するということに無知・無自覚だと、ビリーフで事実をねじまげて解釈していることに気がつかないでいることや、自分で自分を苦しめたり、せばめることも起きます。
ビリーフが変わると、同じ出来事への反応が変わります。
例4
出来事:Bさんが自分の意見を受け入れてくれない
- 自分の意見が正しく、人はそれを受け入れるのが当然と考えていて、Bさんに腹を立てていた
- 同じことについても人それぞれの見かたがあると思うようになり、BさんにはBさんの見かた、意見があると受け入れられるようになった
反応をゆがんだものにするビリーフの主な例
次のようにものがあります。思い当たるものはあるでしょうか。あなた自身はどうでしょうか。
反応の裏にあるビリーフを知ることで自分や他者への理解が進みます。
あなたの反応の裏にあるビリーフを知ろうとし、それを持った原因・理由も探ろうとすることで、あなたはあなたを深く理解し深く変えることが可能になります。
自分への過剰な否定や肯定のビリーフ
自分は好かれない、自分はダメ人間、自分は何をしても許される存在 など
他者への否定や自分よがりのビリーフ
〇〇は嫌な人、〇〇はダメ人間、〇〇は自分を愛するべきだ など
人や物事へのパターン化した価値判断のビリーフ
子どもとは親とは△△だ、B型の人は自分勝手だ など
部分的なことを全体に反映してしまっているビリーフ
受験に失敗した ⇒ 私はダメな人間だ、バカだ、人間失格だ など