自分と他人を見る「心のメガネ」に気づく
人生態度(ライフポジション)とは?
交流分析(TA)では、人は誰でも「自分自身」と「他人」に対して、無意識のうちに「基本的な態度」を持っていると考えます。
この態度は──
- 自分に対して
- 他人に対して
- 世界全体に対して
「OKなのか?」「NO・NGなのか?」という深い感覚に基づいています。
これを、人生態度(Life Position)またはライフポジションと呼びます。
人生態度は心に刻まれた「前提」
たとえば──
- 「私は大丈夫」「あなたも大丈夫」
- 「私はダメだ」「あなたはいい」
- 「私は大丈夫だけど、他人は信用できない」
- 「私はダメで、他人もダメだ」
というように、人は生きるうえでの「無意識の前提」を持っているのです。
これらは、普段意識することはほとんどありませんが、実は私たちの思考、感情、行動、人間関係、人生の選択に、非常に大きな影響を与えています。
4種類の人生態度
人生態度には、大きく分けて4つのパターンがあります。
自分に対する感覚 | 他人に対する感覚 | 人生態度 |
---|---|---|
OK | OK | I’m OK, You’re OK |
NG | OK | I’m not OK, You’re OK |
OK | NG | I’m OK, You’re not OK |
NG | NG | I’m not OK, You’re not OK |
この4つのどれか、あるいは複数のパターンが、あなたの心の中に存在しています。
どれかひとつに固定されているわけではなく、場面や相手によって揺れ動くこともあります。

今のわたしの「心のメガネ」を感じてみよう
【 自分への問いかけ 】
- 今の自分は、自分自身に対してどんな感覚を持っている?
(OKと思える? それともどこかダメだと感じる?) - 他人に対してはどう感じている?
(信頼できる? 不安を感じる?期待していない?)
自由に感じたまま、書き出してみましょう。正解・不正解はありません。まずは「今の自分」を素直に見つめてみることが大切です。
人生態度は「変える」ことができる
ここで大事なことをお伝えします。
人生態度は
生まれたときに決まったわけでも、永久に固定されたものでもありません。
- 気づくこと
- 見つめ直すこと
- 新しい体験を重ねること
によって、人生態度は少しずつ変わっていくことができます。
これから、さらに深く見つめていきます
次のセッションからは、この「人生態度」という心の土台について──
- どうやって幼少期に選び取られたのか?
- どんな体験や感情が、それを支えているのか?
- なぜ、時に自分や他人を否定してしまうのか?
- そして、どうすれば「私は大丈夫、あなたも大丈夫」と思える心を育てられるのか?
を、ひとつずつ丁寧に探っていきます。
あなた自身の心の奥にある、無意識の地図をやさしく描き直していく旅。それが、これから始まります。どうか、焦らず、ありのままのあなたと向き合いながら、一歩一歩進んでいきましょう。

- 人生態度(ライフポジション)とは、自分と他人への無意識の基本的態度
- 4つの基本パターン(OK/NO)を理解する
- 人生態度は気づきと新しい体験で変えていくことができる
- これからさらに、「人生態度の形成と変容」を深く探求していく