〜自分を信じ、他人を信じる力を取り戻す
「I’m OK, You’re OK」という心の状態
これまで学んできたように人生態度には4種類のパターンがありました。
そのなかでも
最もバランスが取れていて、心の健康にとって理想的とされるのが「I’m OK, You’re OK」
という感覚です。
これは
- 自分自身に対して基本的な安心感を持ち
- 他人に対しても基本的な信頼を持つ、という、心の深い肯定的な態度を指します。
「OK感覚」は育て直すことができる
子どものころの環境や経験によっては、この「I’m OK, You’re OK」の感覚が傷ついたり、十分に育たなかったこともあります。しかし、人生態度は「一度決まったら変わらないもの」ではありません。
- 気づくこと
- 新しい体験を重ねること
- 自分にやさしく寄り添うこと、によって、「OK感覚」は育て直すことができるのです。
「I’m OK, You’re OK」を育てるための3つの鍵
① 自分をOKと感じる小さな体験を重ねる
まずは、自分に対する基本的な信頼感を育てることが大切です。
【 具体例 】
- できたことに注目する(どんな小さなことでも)
例)「今日は出かける準備をちゃんとできた」「あいさつができた」
- 「できた自分」を認める言葉をかける
例)「よくがんばったね」「ちゃんと向き合った自分はえらい」
- 完璧じゃなくてもOKだと許す
例)「うまくいかなかったけど、挑戦したことが素晴らしい」
② 他人をOKと信じる体験を持つ
次に、他人への信頼感を少しずつ取り戻していきます。
【 具体例 】
- 小さな「ありがとう」を言ってみる
例)コンビニでお釣りをもらったときに「ありがとう」と伝える
- 誰かの親切を素直に受け取ってみる
例)ドアを開けてもらったら「ありがとうございます」とにっこり返す
- 他人の良いところを探す習慣を持つ
例)「あの人の話し方はやさしいな」と見つけてみる
③ 自分も他人も「完璧じゃなくてOK」と許す
「I’m OK, You’re OK」の感覚は「完璧だからOK」ではなく、「不完全でもOK」と感じられるときに育ちます。
【 具体例 】
- 失敗したときに、自分に言う
例)「ミスしたけど、それでも私は大丈夫」
- 誰かが不機嫌だったときに、思い出す
例)「たまたま疲れているだけかもしれない」
- 自分も相手も、弱さもある人間だと認める
例)「みんな完璧じゃない。私もあなたも、ありのままでいい」

「OK体験」を積み重ねよう
【 やってみよう 】
- 今日の中で、「私はOKだな」と感じられた瞬間を1つ見つける
- 今日の中で、「あなたもOKだな」と思えた瞬間を1つ見つける
【 ワーク記入例 】
今日のOK体験 | 感じたこと |
---|---|
朝、きちんと起きられた | 「小さな成功、うれしい」 |
バスの運転手さんにありがとうと言えた | 「人とのつながりを感じた」 |
もっと深く考える問いかけ
【 自由記入ワーク 】
- 「私が自分をもっとOKだと感じられるようにするために、できそうなことは何だろう?」
- 「他人をもっとOKだと感じられるようにするために、できそうな小さな一歩は何だろう?」
あなたなりの答えを、ゆっくり探してみてください。
OK感覚は、少しずつ育てるもの
「I’m OK, You’re OK」の感覚は、一夜にして完成するものではありません。
- 小さな気づき
- 小さな体験
- 小さな許し
を積み重ねることで、心の土台がやわらかく、温かく、しなやかに育っていきます。
焦らず、今日できる小さな一歩をあなた自身に贈り続けましょう。

- 「I’m OK, You’re OK」は自分も他人も肯定できる心のあり方
- 小さな成功体験、感謝、許しを積み重ねることで育てられる
- 完璧じゃなくてもOK。今ここから育て直していける