「認められたい」気持ちとの健やかな関係をつくる
「承認欲求」は誰にでもある
私たちは誰でも──誰かにわかってほしい、誰かに認められたい、誰かに必要とされたい、そんな承認欲求を持っています。それは、生きていくうえで自然な心の働きです。
承認欲求があるから──
- 成長したいと思えたり
- 人とつながろうとしたり
- 自分を大切にしようとしたり
そんな前向きなエネルギーも生まれます。
でも、承認欲求に振り回されるとき
一方で、承認欲求が強くなりすぎると、苦しくなることがあります。
たとえば──
- 誰かに認めてもらえないと、自分には価値がないと感じる
- 他人の期待に応えようと無理をしてしまう
- SNSの「いいね」や評価に心が揺さぶられる
- 拒絶されたら、存在そのものを否定されたように感じる
承認欲求が暴走すると、自分の軸を見失い、心が不安定になってしまうのです。
承認欲求と健やかに付き合う3つのステップ
1. 「認められたい自分」を否定しない
まず、大切なのは「認められたい」と思う気持ちを否定しないことです。
たとえば──
- 「わかってほしい」と思った自分
- 「評価されたい」と願った自分
それは人として当たり前の、自然な心の動きです。
だから、「こんなこと思っちゃいけない」と自分を責める必要はありません。むしろ「そうだよね。わかってほしかったよね」とやさしく受けとめることから始めましょう。
2.認められることと、自分の価値を切り離す
次に「誰かに認められる=自分の存在価値」という思い込みを、そっとゆるめていきます。
たとえば──
- 誰かにほめられなくても、あなたの価値は変わりません。
- 誰かに拒絶されても、あなたの存在は尊いままです。
【 イメージ 】
他人の評価 | 自分の価値 |
---|---|
上がったり下がったりする | 変わらない |
この感覚を、少しずつ育てていきましょう。
3. 自分で自分を認める習慣をつくる
最後に「自分で自分を認める」という習慣を育てます。
たとえば──
- 今日できたことを小さくても認める
例)「朝起きて、ちゃんと仕事に向かった。えらい」
- 自分の努力や勇気を、ちゃんと見てあげる
例)「怖かったけど、ちゃんと話しかけた」
- 失敗しても、「挑戦した自分」を認める
例)「うまくいかなかった。でもチャレンジしたことはすごい」
こうして、「自分の承認者は、まず自分」という感覚を少しずつ育てていきます。

「自分にOKを出す練習」
【 やってみよう 】
- 今日1日の中で、できたこと、がんばったことを3つ書き出してみましょう。
【 ワーク記入例 】
今日できたこと・がんばったこと | 自分への認め言葉 |
---|---|
早起きできた | 「よく起きたね!」 |
苦手なメールを返信した | 「ちゃんと向き合ったね!」 |
無理せず休憩を取った | 「自分を大事にできたね!」 |
もっと深く考える問いかけ
- 「誰かに認められたい」と思ったとき、自分はどんな気持ちを抱えているだろう?
- 自分で自分を認めるために、できる小さな習慣は何があるだろう?
自由に書き出してみてください。
承認欲求は「敵」ではない
承認欲求は、私たちが人とつながるために大切なエネルギーです。ただし、それに振り回されず、自分の心の軸をしなやかに保つことが大切です。
- 誰かに認められたらうれしい
- 認められなくても、わたしはわたし
そんなふうに、自分自身との信頼関係を育てていきましょう。

- 承認欲求は自然な心の働き。否定する必要はない
- 他人の評価と自分の価値を切り離す
- 自分で自分を認める習慣を育てることで、心の軸を保てる