ゲームの裏にある「本当の願い」と「守り」に気づこう
心理ゲームの奥には、必ず、本当は満たされたい心の欲求が潜んでいます。
たとえば、認められたい、受け入れられたい、大切にされたい、理解されたい、愛されたい…。
そして、これらの欲求が、過去の体験や心の防衛によって、素直に表現できないとき、歪んだ形で表現され、心理ゲームが起きてしまうのです。
たとえば、こんな場面
例:認められたいのに、批判的になる
本当は、「あなたに認めてもらいたい」と思っている。でも素直に伝えられず、代わりに相手を批判してしまう。→ 結果、相手との距離が広がり、余計に孤独を感じる。
例:愛されたいのに、冷たくふるまう
本当は、「あなたに愛されたい」と願っている。でも怖くて、それを見せず、無関心を装う。→ 結果、相手も心を閉ざし、さらに孤立する。
例:助けてほしいのに、「大丈夫」と言ってしまう】
本当は、「助けてほしい」と思っている。でも弱みを見せるのが怖くて、強がって「大丈夫」と言ってしまう。→ 結果、誰にも助けてもらえず、ひとりで抱え込んでしまう。
例:わかってほしいのに、怒りでぶつかる
本当は、「わたしの気持ちをわかってほしい」と願っている。でもうまく言葉にできず、イライラして相手に怒ってしまう。→ 結果、相手は防御的になり、ますます分かり合えなくなる。
心の防衛としての心理ゲーム
心理ゲームは、単に欲求が満たされないだけでなく、心を守るための防衛反応としても行われます。
- 素直に欲求を出して拒絶されるのが怖い
- 傷つきたくない
- 無力感を感じたくない
だから、
- 回りくどいやり方で相手に接したり
- 期待に応じてもらえなかったときに怒ったり
- 最初から無関心を装ったり
そんなふうに、「守り」のためにもゲームは展開されるのです。
心理ゲームの2つの裏側
まとめると、心理ゲームの背後には──
- 心の欲求:本当はこうしてほしい、こうなりたいという素直な願い
- 心の防衛:傷つかないために無意識に取ってしまう回り道
この2つが複雑に絡み合って、ゲームは繰り返されます。

わたしの心の欲求と防衛を見つめてみよう
【 自分への問いかけ 】
- 最近、誰かとの関わりで「うまくいかなかった」と感じた出来事は?
- そのとき、本当はどんな欲求を持っていたでしょうか?
- その欲求を素直に表現できなかった理由は何だったでしょうか?
【 記入例 】
出来事 | 本当の欲求 | 防衛の行動 |
---|---|---|
友達に冷たくしてしまった | もっと一緒にいたかった | 拒絶されるのが怖くて無関心を装った |
気づきは、新しい選択への第一歩
自分の欲求と防衛に気づくことは──
- 自分を責めるためではなく
- 相手を責めるためでもなく
「ああ、自分はこんなふうにがんばってきたんだな」と、自分の心をやさしく理解することにほかなりません。
気づきの中で、少しずつ、
- 素直な欲求を伝えること
- 防衛ではなく、自分らしい選択をすること、ができるようになっていきます。

- 心理ゲームの奥には、素直な欲求と心の防衛がある
- 欲求を素直に出すことに怖れがあるとき、ゲームという回り道が起きる
- 気づきは、自分を責めるためではなく、理解し、自由になるための一歩