典型的な心理ゲーム「見捨てられる私」

― 愛されたい気持ちと不安が生む無意識のドラマ

このゲームは、心の奥にある「愛されたい」「必要とされたい」という願いと、同時にある「どうせ見捨てられるに違いない」という不安が交錯する中で、無意識に展開されます。

結果的に──本当はつながりたかったのに、本当はわかってほしかったのに、逆に孤独や失望を強めてしまう、そんな苦しいゲームです。

どんなふうに起きるのか?

典型的な流れ:

  • 誘い:「どうせ私なんて大事にされない」という雰囲気や言葉で相手に働きかける
  • 応答:相手が慰めたり、励まそうとする
  • 転換・混乱:それでも満たされず、「やっぱりわかってもらえない」と感じる
  • 結末・報酬:孤独感・無力感・被害者意識を再確認してしまう

たとえば、こんな場面

例:友人とのやり取りで
  • あなたは「最近なんだか寂しい」と友人に伝えた。
  • 友人は「じゃあまた今度遊ぼうよ」と答えた。
  • でもあなたは、「今すぐ会いに来てほしい」という気持ちをわかってもらえなかったと感じ、落ち込んだ。
  • 結果:「やっぱり私は大切にされていない」という痛みを抱え込む。
例:パートナーとのやり取りで
  • パートナーに「最近、忙しそうだね」と言った。
  • パートナーは「うん、仕事がバタバタしてて」と答えた。
  • あなたは内心、「私より仕事を優先された」と感じてしまい、寂しさと怒りが混じった気持ちになった。
  • 結果:「どうせ私は見捨てられる」という思いが強化される

なぜ、このゲームが起きるのか?

心の奥には、こんな気持ちが隠れています。

  • 愛されたい、必要とされたい
  • でも、本当に求めたら拒絶されるかもしれない
  • だったら、最初から期待しないふりをしよう
  • でも本当は、誰かに気づいてほしい…

この矛盾した想いが、回りくどいやり取り(ゲーム)を生み出してしまうのです。

わたしにも「見捨てられる私」パターンがある?

【 自分への問いかけ 】

  • 最近、「大切にされていない」「わかってもらえない」と感じた場面はありましたか?
  • そのとき、本当はどんな気持ちを伝えたかったでしょうか?
  • 伝えずに飲み込んでしまった本音は何だったでしょう?

記入例 】

どうすればこのパターンを超えられるか?

まず、「自分は本当はどうしてほしかったのか」に気づくこと、次に、それをストレートに、優しく伝える練習をしていくこと。

たとえば──

  • 「寂しいから、少しだけでも会えるとうれしいな」
  • 「あなたが忙しいのはわかるけど、もう少しだけ話を聞いてほしいな」

こうして、回りくどいゲームではなく、素直なコミュニケーションを育てていくことができます。


  • 「見捨てられる私」パターンは、愛されたい願いと見捨てられ不安が交錯して生まれる
  • 回りくどいやり取りの奥には、伝えきれなかった本音がある
  • 本音に気づき、やさしく素直に伝えることが、ゲームを手放す鍵