典型的な心理ゲーム「勝ち負けにこだわる私」

― 本当は認められたい、でも競わずにいられない心

このゲームは、心の奥にある「認められたい」「価値を感じたい」という強い願いと、同時にある「負けたら存在価値がなくなる」という怖れが交錯する中で展開されます。

結果的に──本当は仲良くなりたかったのに、本当は支え合いたかったのに、競争心や優越感、敗北感によって関係がぎくしゃくしてしまう、そんな苦しいゲームです。

どんなふうに起きるのか?

典型的な流れ:

  • 誘い:「私の方が上だ」「あなたよりすごい」と優位を示そうとする態度をとる
  • 応答:相手も負けまいとして競争的な態度をとる
  • 転換・混乱:勝ち負けにこだわりすぎて、楽しいはずの関係が緊張したものになる
  • 結末・報酬:勝っても孤立感、負ければ劣等感という苦い感情を味わう

たとえば、こんな場面

例:友人との会話で
  • 友人が「最近、資格試験に合格した」と話した。
  • あなたは焦りを感じ、「私ももっと難しい資格取ろうかな」と張り合うように話した。
  • 本当は「すごいね」「おめでとう」と素直に言いたかったのに、心の中で競争心が芽生え、素直になれなかった。
例:職場での出来事
  • 同僚が上司に褒められているのを見た。
  • あなたは無意識に、自分の成果を強調する話をしてしまった。
  • 結果、周囲との距離を感じ、孤独感が増した。

なぜ、このゲームが起きるのか?

このパターンの背後には──

  • 誰かより「劣っている」と感じることへの強い怖れ
  • 勝たないと、自分の存在価値がないように感じる不安
  • 「負け=無価値」と思い込んでいる心の構造

があります。つまり、勝ち負けの世界でしか自分の価値を測れなくなっているのです。

わたしにも「勝ち負けにこだわる私」パターンがある?

【 自分への問いかけ 】

  • 最近、人と比べて「負けたくない」と感じたことはありましたか?
  • そのとき、心の中でどんな感情が動いていましたか?
  • 本当は、どんなふうに関わりたかったでしょうか?

【 ワーク記入例 】

どうすればこのパターンを超えられるか?

  • 「勝つ」「負ける」という枠組みから、一歩外に出ること
  • 「誰かより上か下か」ではなく、「ありのままの自分と他者」を尊重すること
  • 競争心が湧いたとき、「私は大丈夫」と心の中でそっとつぶやくこと

たとえば──

  • 「あの人はあの人、私は私」
  • 「誰かと比べなくても、私はちゃんと価値がある」

こんなふうに、自己肯定と他者肯定を同時に育てていくことが大切です。


  • 「勝ち負けにこだわる私」パターンは、認められたい気持ちと負けたくない怖れから生まれる
  • 勝ち負けに縛られると、人間関係が緊張し、孤立しやすくなる
  • 「比べない」「ありのままを尊重する」ことで、自由な心を育てられる