― 巻き込まれる前に、静かに気づく力を育てる
心理ゲームは、「誘い」から始まることを学びました。
つまり、最初の「誘い」に気づくことができれば、その先のゲーム全体を止めることができるのです。
「誘い」に気づく力は、心理ゲームを超えるための第一歩です。
「誘い」とは、こんなサイン
心理ゲームの誘いは、とてもさりげなく表れます。
たとえば──
- 皮肉っぽい言い方をしてしまった
- 相手を試すような態度をとった
- 自分を過小評価する発言をした
- 相手に過剰にアドバイスしたくなった
- 「どうせわかってもらえない」と心の中でつぶやいた
これらはすべて、ゲームに入るための「小さなきっかけ=誘い」になっています。
なぜ誘いに気づきにくいのか?
- ほとんどが無意識の反応だから
- 子どもの頃から自然に身につけたパターンだから
- 自分を守ろうとする本能的な動きだから
だからこそ、「悪いことをしている」という感覚がないまま始まってしまうのです。
「誘い」に気づくための3つのサイン
1 心の中で「言い訳」や「自己防衛」が始まったとき
たとえば:
- 「だって仕方ないじゃない」
- 「どうせあの人はわかってないし」
- 「私が悪いわけじゃない」
このような内心の動きは、心理ゲームに入る準備が始まっているサインです。
2 相手に「期待」してしまったとき
たとえば:
- 「もっと察してほしい」
- 「わかってくれるはず」
こうした隠れた期待も、ゲームを誘発するきっかけになります。
3 小さな「イライラ」や「もやもや」を感じたとき
たとえば:
- 「なんでわかってくれないんだろう」
- 「また無視された気がする」
これも、無意識の誘いが動き始めた合図です。

最近の「誘い」を探してみよう
【 自分への問いかけ 】
- ここまで心理ゲームについて学んできて、最近、人とのやり取りで、「誘い」を 「つい言ってしまった」「つい態度に出てしまった」ことはありましたか?
- それは、どんな感情や期待から生まれていましたか?
- または、誰かからの「誘い」だったと思うことはありましたか?
【 ワーク記入例 】
出来事 | 出た誘い | 背景にあった感情・期待 |
---|---|---|
相手がメールにすぐ返信しなかった | 「やっぱり私は大事にされていない」と思った | もっと大切に扱ってほしいという願い |
気づきだけで、十分に価値がある
ここで大事なのは、「誘いに気づけたら、それだけで素晴らしい」ということです。
- 気づいたら、巻き込まれずにすむ可能性がぐっと高まる
- 気づいたら、立ち止まって深呼吸できる
- 気づいたら、自分を責めずに選び直すことができる
完璧に止めることを目指さなくていい。ただ、やさしく気づける自分を育てること。それが、心理ゲームから自由になるための最初で最高の一歩です。

- 心理ゲームは「誘い」から始まる
- 「言い訳・期待・小さなもやもや」が誘いのサイン
- 気づけたら、その瞬間にゲームから一歩外に出ることができる