心理ゲームを繰り返してしまうのは──単に癖になっているから、だけではありません。
その奥には、「無意識に持っている心のシナリオ(人生脚本)」という原因もあります。
「私はどうせ大切にされない」「私は誰かに勝たないと価値がない」「私は助けることでしか必要とされない」というような人生に対するそんな思い込みの脚本が、自分でも気づかないうちに、行動や反応を決めてしまっているのです。
心のシナリオ「人生脚本」とは?
それは、幼い頃に、家族や周囲との関係を通じて無意識に作り上げた「人生の物語」がベースです。
- 誰にも認められなかった経験
- 愛情を求めても応えてもらえなかった記憶
- 期待に応えることで存在価値を感じた体験
そんな積み重ねが、「私はこういう存在だ」「人生はこういうものだ」という深い信念=脚本を形作ります。そして、その脚本通りに、無意識の行動パターン、心理ゲームも繰り返してしまうのです。
たとえば、こんな心のシナリオ
- 心のシナリオ:「私は見捨てられる存在だ」
- 現れるゲームのパターン:見捨てられる私のゲームを繰り返す。
- 心のシナリオ:「私はいつも責められる存在だ」
- 現れるゲームのパターン:責められる私のゲームを繰り返す。
- 心のシナリオ:「私は勝たなければ価値がない」
- 現れるゲームのパターン:勝ち負けにこだわる私のゲームを繰り返す。
シナリオを書き換えるために必要なこと
まずは、「いまの私が無意識に信じ込んでいる物語」に気づくこと。
そして、次に、「もうこの古い物語は手放していい」と、自分に許可を出すこと。
過去の体験は変えられなくても──そこから作った「意味」や「物語」は、これから自由に選び直すことができるのです。

わたしの心のシナリオを見つめ直してみよう
【 自分への問いかけ 】
- 最近の心理ゲーム体験を思い出してみましょう。
- その奥には、何か無意識の「前提」や「物語」があったでしょうか?
【 ワーク記入例 】
出来事 | 背景にあった心のシナリオ |
---|---|
相手に依存してしまった | 「私はひとりでは無力だ」 |
つい相手を批判してしまった | 「私は完璧でなければ愛されない」 |
新しい選択肢を育てる
古いシナリオに気づいたら──次に、自分に問いかけてみましょう。
- 「本当に、私は無力なのだろうか?」
- 「本当に、完璧じゃないと愛されないのだろうか?」
- 「今の私には、もっと広い選択肢があるんじゃないか?」
そして、こんな新しい言葉を、自分に贈ってください。
たとえば:
- 「私は完璧でなくても、大切な存在だ」
- 「私は自分で選び、自分で歩いていける」
- 「私は勝ち負けを超えて、つながりを育てることができる」
「人生脚本」はステップ6でさらに
今回のセッションでは、心の奥にある無意識の「シナリオ(人生脚本)」に軽く触れました。この「人生脚本」は、
私たちの行動パターン、人間関係の選び方、人生の流れに大きな影響を与えるテーマです。
ステップ6では、この「人生脚本」を中心に、
- どのように脚本が作られたのか
- 自分の脚本にどんな特徴があるのか
- どうやってより自由で豊かな脚本へ書き換えていけるのか
を、さらに体系的・実践的に学んでいきます。
今はまだ、「自分にも心のシナリオ・脚本があるかもしれない」とやさしく意識を向けるところから、始めていきましょう。

- 心理ゲームは、無意識の「心のシナリオ」によっても繰り返される
- そのシナリオは、過去の体験によって作られた人生への「意味づけ」
- 気づき、手放し、新しい物語を選び直すことができる
- 人生脚本については、ステップ6でさらに詳しく学んでいく