自分の心のバランスを「見える化」してみましょう。
エゴグラムとは
心(自我状態)が今どのようなバランスになっているかをグラフ化して可視化する方法です。
実際に、あなたの今をグラフ化してみましょう。
なお、ここでは簡易版をします。もっと本格的にと望む場合は【講義B】を役立ててください。
扱う5つの自我状態は──
- CP:批判的な親
- NP:養育的な親
- A:大人の心
- FC:自由な子ども
- AC:順応する子ども
それぞれの心のエネルギーがどれくらい出ているかを、チェックしていきます。
なぜ、エゴグラムが役立つのか?
- 今の自分の心の使い方に「偏り」がないか見える
- 無意識に強く出すぎている心に気づける
- 自分らしさを大切にしながら、バランスを意識できる
つまり、エゴグラムは「自分を責めるため」ではなく、自由に整えていくための地図なのです。
5つの自我状態の特徴と注意点
前ページまでの学びを、ここでもう一度、整理しておきましょう。
それぞれの特徴と、プラスに発揮された場合と、マイナスに発揮された場合、注意を掲載します。
CP:批判的な親
特 徴:ルール・規律を重んじ正しさを守ろうとする
プラスにでると:モラル、秩序意識、リーダーシップ
マイナスにでると:厳しすぎ、他人を攻撃、自分を責めすぎる
注意:CPが偏り強くなりすぎると、周囲にも自分にも「ねばならない」「べき」で縛り、対人関係や心が硬直化します。
NP:養育的な親
特 徴:思いやり、保護、支援の心
プラスにでると:優しさ、支え合い、包容力
マイナスにでると:過保護、過干渉、相手の成長を妨げる
注意:NPが偏り強すぎると、「支えたい」気持ちが行きすぎて科母語になり、相手を無力化させたり、依存を生むリスクもあります。
A:大人の心
特 徴:冷静・理性的な判断、現実的対応
プラスにでると:論理的思考、客観的な対応、問題解決力
マイナスにでると:感情抑圧、無機質な対人関係、孤立
注意:Aが偏り強すぎると、人間関係に温かみがなくなり、孤立感を深めることがあります。
FC:自由な子ども
特 徴:自発性、創造性、感情の豊かさ
プラスにでると:直感力、柔軟性、楽しさ
マイナスにでると:衝動的行動、自己中心性、責任感の欠如
注意:FCが偏り強すぎると、周囲を無視した行動が増え、対人トラブルを招きやすくなります。
AC:順応する子ども
特 徴:協調性、我慢、適応
プラスにでると:協力的、ルール順守、集団適応力
マイナスにでると:自己抑圧、自己否定、うつ・心身不調
注意:ACが偏り強くなりすぎると、自己を押し殺してしまい、本音を全く出せなくなり、心身の健康を大きく損なう危険性があります。
「私のエゴグラム」を描いてみよう

簡易版エゴグラムセルフチェック
次の5つの質問について、「今の自分」に当てはまる度合いを「0点(まったくない)〜10点(とても強い)」で
自己採点してみましょう。
1‐批判的な親(CP)0〜10点
- ルールやマナーを重んじる
- 他人や自分に対して厳しいところがある
2‐養育的な親(NP)0〜10点
- 人にやさしく、支えようとする
- 周囲の人の気持ちを大切にする
3 大人(A)0〜10点
- 事実を冷静に見て、合理的に考える
- 感情に流されずに判断できる
4‐自由な子ども(FC)0〜10点
- 好奇心旺盛で、楽しいことに夢中になれる
- 素直な感情を表現できる
5‐順応する子ども(AC)0〜10点
- 周囲の期待に応えようと努力する
- 他人に合わせることが多い
5つの得点を並べると、あなた自身の「心のバランス」が浮かび上がります!
例:
CP:7 NP:8 A:6 FC:5 AC:4
これを折れ線グラフや棒グラフにすると、より視覚的にわかりやすいですよ。
次のページの講義では、バランスによる傾向の説明とアドバイスを紹介します。
エゴグラムは「自分の心のクセを知る道具」
エゴグラムは完璧さを求めるものではありません。高い・低いに「善悪」もありません。
- 今、自分はどんな心をよく使っているか?
- どんな心をもう少し育てるといいか?
それをやさしく見つめるための地図です。

- エゴグラムは、心のバランスを見える化するツール
- 5つの自我状態(CP・NP・A・FC・AC)をチェックする
- それぞれにプラス面と、マイナス面、リスクがあることを理解する
- 自分を責めるためではなく、よりよく暮らせる心を育てるために活かしていく