― 「今、どの心で動いている?」を気づく習慣
私たちは、日常の中で、無意識のうちに、親の心(P)で振る舞ったり、子どもの心(C)で反応したり、大人の心(A)で選択したり、しています。
しかし、多くの場合、「今、どの心が動いているか」を意識することはありません。だからこそ、知らず知らずのうちにパターン化された反応、偏った行動、に陥ってしまうのです。
意識的に今の自我状態に「気づく」ことの意味
- 感情や反応に飲み込まれにくくなる
- 自分を客観的に観察できる
- 状況に応じて、より適切な心のモードを選べる
これが、本当の意味で「自由に生きる」ための土台になります。
日常でできる自我状態セルフチェック法
1.その場で「今、どの心で動いている?」と自問する
何か行動を起こすとき・起こしたとき、感情が動いたとき
- これは、P(親の心)かな?
- これは、A(大人の心)かな?
- これは、C(子どもの心)かな?
と、ふと自分に問いかけてみる習慣を持つ。
2.感情が大きく動いたときほどチェックする
- イライラしたとき
- 落ち込んだとき
- 怒ったとき
- 喜びすぎたとき
そんなときこそ、「どの自我状態が強く出たのか?」を見つめるチャンスです。
3.1日1回、ふりかえりタイムをつくる
夜寝る前などに──
- 今日、親の心が出た場面は?
- 子どもの心が出た場面は?
- 大人の心が働いた場面は?
を、簡単にメモしてみましょう。

今日1日の自我状態ふりかえり
「あのときはあぁだったな」と自分の自我状態を思い返してみましょう。
出来事 | 主に出た自我状態 | 気づいたこと |
---|---|---|
上司に意見した | 大人(A) | 冷静に事実だけ伝えられた |
家族に怒鳴ってしまった | 批判的な親(CP) | 怒りに飲み込まれたと気づいた |
友達と無邪気に笑い合った | 自由な子ども(FC) | とても自然体でいられた |
「ただ気づく」だけでOK
ここで大事なのは──
- 気づいて反省することではなく
- 気づいて「なるほど、そうだったんだ」と気づくこと
そして、次に似た場面が来たとき、「今回は違う選択もできるかもしれない」と自由な視点を持てることです。

- 心は無意識にP、A、Cを切り替えながら動いている
- 日常で「今、どの心で動いているか」と気づくようにすると、自分の心・あり方の自由度が高まる
- 気づくこと自体が、心を癒し。整え、変容する第一歩になる