自我状態を切り替えるためのワーク

― 反射的な反応から、自由な選択へ

これまでのワークで、今、自分はどの自我状態で反応しているのかに気づけるようになってきましたね。

次のステップは「意識的に心のモードを切り替える」力を育てることです。

なぜ切り替える力が大事なのか?

CP(批判的な親)のとき
  • 正しさやルールに固執しすぎると、人間関係がギクシャクしてしまう。
  • 柔軟さや思いやりに切り替えることで、より温かい関係を築ける。
NP(養育的な親)のとき
  • 相手を助けすぎたり、自己犠牲に傾くと、自分をすり減らしてしまう。
  • 必要に応じて距離を取ることで、より健全な支え方ができる。
A(大人)のとき
  • 冷静すぎて感情を置き去りにすると、無機質な関係になりやすい。
  • 感情や共感を意識することで、人間味ある対応ができる。
FC(自由な子ども)のとき
  • 衝動や感情にまかせた行動だけだと、信頼を失ったり後悔することがある。
  • 自由さと責任をバランスさせることで、自分らしさを活かせる。
AC(順応する子ども)のとき
  • 周囲に合わせすぎると、自分を見失い、ストレスが溜まる。
  • 自分の本音を尊重することで、無理せず自然体で関われるようになる。

自我状態を切り替えるためのワーク

1.「今の心は誰?」を自問する

感情が大きく動いたとき、すぐに問いかける:

  • 「今、どの心で動いているだろう?」

(例:「今、すごく厳しくなってる。CPかな?」)

2.別の選択肢を考えてみる

自我状態別に、次の選択肢の問いかけをしてみる。

  • CP(批判的な親)
    問い:「ここは本当に正しさを貫く場面かな? もっと思いやりを持った言い方もできるかも」
  • NP(養育的な親)
    問い:「この人は本当に助けを必要としているだろうか? 見守る選択もありかもしれない」
  • A(大人)
    問い:「理屈だけでなく、感情にも寄り添ってみよう」
  • FC(自由な子ども)
    問い:「自由な行動だけど、周りへの影響も考えられているかな?」
  • AC(順応する子ども)
    問い:「本当にしたいことなのか、それとも合わせているだけか?」

3.小さな行動を選び直してみる

自我状態別に、次の例のような行動の切り替えをする。

  • CP(批判的な親)
    例:指摘する前に「まず良かった点を伝える」
  • NP(養育的な親)
    例:助ける前に「今の自分の状態も大切にする」」
  • A(大人)
    例:事実だけでなく、自分の感情も言葉にする(例:「私はうれしいです」)
  • FC(自由な子ども)
    例:行動する前に、一呼吸おいて周囲への影響を想像する
  • AC(順応する子ども)
    例:誘いを断る小さな練習をしてみる(例:「今日はごめんね」と伝える)
切り替えの練習メモ

【 自分への問いかけ 】

  • 今日、「いつもと違う心のモード」を選べた場面はありましたか?

【 ワーク記入例 】

ポイントは「完璧を目指さないこと」

うまくいかない日があっても大丈夫。

  • 気づけたら、それだけで大きな成長
  • 小さく選び直せたら、もっと素晴らしい
  • できなかった日も、またチャレンジすればいい

心を変えるとは、小さな選択を積み重ねること。


  • 自我状態は、その都度、意識して切り替えることができる
  • 気づいて「今、どの心で動いているか」を問いかけることから始める
  • 考え方と行動の選び直しが、自由な心を育てる鍵になる