― 自分の中にいる「親・大人・子ども」の声を見つける
私たちが何かを感じ、考え、行動するとき──実は、心の中では「小さな会議」が開かれています。
その会議に出席しているのが、
- 批判的な親CP/養育的な親NP
- 大人の心A
- 自由な子どもFC/順応する子どもAC、という、5つの自我状態たちです。
これらの声は、あなたが意識していないときでも自然に現れ、心の中で対話し影響を与えています。
たとえば…
- CP(批判的な親):「こんな失敗、情けない!」
- A(大人):「でも、状況を整理すれば、次に活かせる」
- AC(順応する子ども):「怖いから、もう何もしたくないよ…」
こんなふうに、心の中ではいつも「自分の心同士の対話」が起きています。
なぜ、内なる対話に気づくことが大切なのか?
- 自分の心の深い反応に気づくことができる
- 感情に巻き込まれず、客観的に自分を見つめられる
- 無意識の思い込みやクセに気づき、変えていくきっかけになる
自分の中で起きている会話に耳を傾けること。これが、自己理解と自己変容の第一歩です。
3者対話ワークのやり方

今、試しに実際にしてみましょう。
1.最近あった「印象的なできごと」を選ぶ
- 嬉しかったこと
- 悔しかったこと
- 怒ったこと
- 恥ずかしかったこと
感情が動いたできごとが、特におすすめです。
2.そのとき、心の中でどんな声があったか思い出す
【 例 】
自我状態 | そのときの心の声 |
---|---|
CP(批判的な親) | 「こんなミスするなんてだめだ」 |
NP(養育的な親) | 「でも、あなたは頑張ってるよ」 |
A(大人) | 「状況を整理して次に活かそう」 |
FC(自由な子ども) | 「でも、本当は遊びたかっただけだもん」 |
AC(順応する子ども) | 「怒られたくないから謝ろう…」 |
心の中の、さまざまな声を思い出してみましょう。
3.実際に書き出してみる
―3者対話ワーク記入例
【 できごと 】
友達にドタキャンされて、イライラした
自我状態 | 出てきた声 | 気づいたこと |
---|---|---|
CP | 「人に迷惑かけるなんて最低だ!」 | 怒りの基準がとても高い自分に気づいた |
NP | 「でも、きっと事情があったんだよ」 | 相手に理解を向けようとする自分もいた |
A | 「怒るのは自然。でも、どう伝えるか冷静に考えよう」 | 感情を整理する力があると気づいた |
FC | 「楽しみにしてたのに!もう知らない!」 | 本音は、単にさびしかっただけかも |
AC | 「嫌われたらどうしよう…」 | 本音を言うのが怖い自分もいる |
注意点:すべての声に「良い・悪い」をつけない
CPもNPも、Aも、FCもACもすべて大切な声です。
- 厳しい声も
- 優しい声も
- わがままな声も
- 怖がる声も
すべての声に「耳を傾ける」ことが自己受容の第一歩なのです。

- 心の中では、常に「自我状態たちの対話」が起きている
- その声に気づくことで、自己理解が深まる
- どの声も否定せず、まずはやさしく受け止めることから始めよう