葛藤の場面で出る自我状態を観察する

葛藤とは「心の中の会議」で起こるもの

葛藤とは──

  • 何かを選びたいけれど、別の気持ちも湧いてきて迷う
  • やりたいけど、怖い
  • 言いたいけど、我慢してしまう

こうした「心の中の引っ張り合い」のことです。このとき、心の中では、5つの自我状態がそれぞれ異なる意見を出し合っています。

たとえば、何か新しいことをとようかどうかという時

  • CP:「こんなことするなんて間違ってる!」
  • NP:「でも、自分のために挑戦するのも大切だよ」
  • A:「事実を整理して、可能性を考えよう」
  • FC:「やりたい!わくわくする!」
  • AC:「でも、失敗したら怒られるかも…」

心の中で、こんなふうに様々な声がせめぎあっているのです。

なぜ、葛藤の観察が大事なのか?

  • 自分の心の深層にある価値観や怖れに気づける
  • 無意識に振り回されるのを防ぎ、自由に選択できる
  • 自己理解が深まり、心の成長につながる

「葛藤をなくす」ことではなく、葛藤の中身を「意識化」することが成長への道なのです。

葛藤を観察する3ステップ

1.葛藤が起きたできごとを選ぶ

  • どちらにしようか迷った
  • 何かを言うか言わないか悩んだ
  • 挑戦するかやめるか揺れた

──そんな場面を思い出しましょう。

2.そのとき心の中に現れた「自我状態の声」を書き出す

それぞれの声を、否定せずにありのまま書き出してみます。

3.今の自分にいちばん響く声を選ぶ

  • 今の自分は、どの声に一番共感するだろう?
  • どの声を大切にして選びたいだろう?

どれが「正しい」「間違っている」ではなく、自分がどうありたいかに素直に耳を傾けます。

葛藤の場面を書き出してみよう

場面を設定して、5つの自我状態の声を書き出してみましょう。

【 ワーク記入例 】

出来事:転職を考えてけど踏み出せない

この中で、今の自分がいちばん大切にしたい声はどれですか?

注意点:どの声も「あなたを守ろう」としている

厳しい声も不安な声も、わくわくする声も、すべて、あなたの心の一部が、それぞれの立場で「あなたを守ろう」として出している声です。

どんな声も否定はせず受け止め、より良くバランスを取る意識を持ちましょう。


  • 葛藤とは、心の中の5つの自我状態の引っ張り合い
  • 出てくるすべての声を書き出して意識化することが大切
  • 自分にとっていちばん響く声を選び、行動していこう