感情の処理と統合のためのジャーナリング

― 感情にやさしく気づき、そっと見守る

私たちの心には、怒り、悲しみ、寂しさ、喜び、不安…と、日々さまざまな感情が生まれています。

感情を抑え込んでしまったり、逆に、感情に呑まれてしまったり、どちらも、心にストレスや傷を残す原因になります。

感情は、「気づき、そっと見守る」ことで、自然に整理され、心の中で調和されていきます。

感情は「やさしく気づき、見守る」ことで整う

なぜ「ジャーナリング」が効果的なのか?

ジャーナリングとは、思考や感情を言葉にして紙に書き出す作業です。

これにより

  • 無意識に押し込めていた感情に気づける
  • 感情を外に出して、客観視できる
  • 気持ちの整理と自己理解が進む

そして、「感情を持った自分をそのまま認める」力が育ちます。

感情を処理し統合する3ステップ・ジャーナリング

1.今、感じている「生の感情」にやさしく気づき、書き出す

  • 良い感情も悪い感情も、すべてOK
  • きれいな言葉に直さず、本音のまま書く

【 例 】

  • 「本当は怒ってる」
  • 「怖い」「寂しい」「悔しい」
  • 「でも嬉しかった」「ホッとした」…どんな感情も、価値ある心の動きです。

【 補 足 】

もし感情が激しすぎてつらい場合は──まず、ただ「感情にラベルを貼って、静かに見つめる」ことから始めても大丈夫です。(例:「これは怒り」「これは怖れ」など)

ラベルを貼るだけでも、感情との間に適度な距離が生まれ、安心して観察できるようになります。

2.感情の奥にある思いを探る

表に出た感情の下には、「本当の願い」や「本当の痛み」が隠れていることが多いです。

【 例 】

  • 怒りの裏にあるのは、「わかってほしかった」
  • 悲しみの裏にあるのは、「愛されたかった」
  • 不安の裏にあるのは、「挑戦したいけど怖かった」

感情の奥にある本当の声に耳を澄ませます。

3.今の自分にかけてあげたい言葉を書き添える

最後に、今の自分に、やさしく声をかけて締めましょう。

【 例 】

  • 「怒った自分も、よく頑張っている」
  • 「怖がる自分を、大事にしよう」
  • 「挑戦を選んだ自分を、誇りに思う」

これにより、感情を単なる「反応」で終わらせず、自己統合の力へと変えていくことができます。

感情ジャーナリング実践

【 自分への問いかけ 】

  • 最近、感情が大きく起きたり、とらわれていると思うことは?
  • この感情の奥にある思いは、本当は何だろう?
  • その思いの自分にやさしく声をかけてあげるとしたら、どんな言葉?

【 ワーク記入例 】

注意点:感情に「評価」づけはしない

感情には、良い・悪いのラベルを貼らないこと。

怒ってもいい、怖がってもいい、喜んでもいい、感情はただ「今ここ」で湧き上がる自然な現象です。それを、そのまま気づいてあげることが、心を癒し、自由にしていく道です。


  • 感情は、抑えるのでも流されるのでもなく、やさしく気づいてけあげる
  • 激しい感情にはラベルを貼って静かに見つめることから始めてもいい
  • ジャーナリングで感情を整理し、自己統合を進めよう