― 心に刻まれた「してはいけない」のメッセージ
人生脚本の土台には、子ども時代に受け取った、たくさんの無意識のメッセージがあります。
その中でも、あなたの行動や感じ方を縛り人生の選択肢を狭めてしまうもの、それが「禁止令」です。
禁止令とは
親や周囲の大人から直接的・間接的に伝えられた、「こうしてはいけない」「こうあってはいけない」という無言の命令。
たとえ言葉にされていなくても、表情、態度、雰囲気を通じて、子どもはそれを敏感に感じ取り、無意識に「○○してはいけない」という信念を心に刻んでいきます。
たとえば、こんな禁止令
禁止令 | 内容例 |
---|---|
感じるな | 感情を表現してはいけない |
成長するな | 大人になってはいけない |
成功するな | 目立ってはいけない、勝ってはいけない |
近づくな | 人と親しくなってはいけない |
存在するな | 自分の存在価値を疑う |
こうした禁止令は、その人の考え方・感情の動き・行動パターンに強い影響を与え続けます。
禁止令は「サバイバル戦略」だった
大切なことは、禁止令は、もともと子どもが自分を守るために作った戦略だった、ということです。
たとえば
- 親が怒りっぽい → 「感情を出すと危ない」と感じて「感じるな」と決める
- 親が厳しすぎる → 「目立つと叱られる」と感じて「成功するな」と決める
つまり、禁止令は「自分なりの生き残り方」だったのです。

自分に刻まれているかもしれない禁止令を探してみよう
【 自分への問いかけ 】
- 子どもの頃、どんなことをすると「よくない」と感じましたか?
- 家族の中で、暗黙のルールのように感じていたものはありましたか?
【 ワーク記入例 】
感じたこと | そこから生まれたかもしれない禁止令 |
---|---|
感情を出すと迷惑そうな顔をされた | 感じるな |
勝つと嫌な顔をされた | 成功するな |
自分の意見を言ったら怒られた | 考えるな |
すぐにハッキリ思い出せなくても大丈夫。小さな違和感でも、心にメモしておきましょう。

禁止令に気づくことは、責めることではない
- 親や周囲の大人も、意図的にあなたを傷つけようとしたわけではないかもしれません。
- その時代、その状況で、できる限りの関わり方をしていたのでしょう。
だから、禁止令に気づくことは、過去を責めることではありません。
大切なのは──
- 「ああ、こんなふうに自分は世界を受け取っていたんだな」
- 「今、ここからは、別の選択もできるんだな」
そうやさしく、未来への選択肢を広げていくことです。

- 禁止令とは、子ども時代に無意識に受け取った「○○してはいけない」というメッセージ
- 本来は自分を守るためのサバイバル戦略だった
- 禁止令に気づくことは、自由への第一歩