― 無意識に急かされる自分に気づこう
禁止令と並んで、人生脚本を形づくる重要な要素に「ドライバー」と呼ばれるものがあります。
ドライバーとは
「こうしなければならない」という無意識の強迫的な指令。自分を追い立て、行動を急かし、知らず知らずにストレスを生み出す。
ドライバーは、
- 子ども時代に、親や周囲の大人たちから受け取った期待や圧力に応えようとして、
- 自分自身に課してしまった「生きるための戦略」でもあります。
ドライバーの種類
5種類のドライバーと、それぞれの典型的な口グセ・思考パータンは次のとおりです。
これらのドライバーは、いったん無意識に刷り込まれると、自分で気づかないうちに自分を追い込む力になってしまいます。
ドライバー:完璧であれ
「失敗は許されない」「完璧にやらなければ価値がない」
ドライバー:急げ
「早くしないとダメだ」「遅いと役に立たない」
ドライバー:努力しろ
「もっと頑張らないと」「休んではいけない」
ドライバー:他人を喜ばせろ
「期待に応えなければ」「嫌われたら大変だ」
ドライバー:強くあれ
「弱音を吐いてはいけない」「泣くなんてみっともない」
ドライバーが働くと、どうなるか?
ポジティブな側面:
- 努力できる
- 成長できる
- 社会に適応できる
ネガティブな側面:
- 必要以上に自分を責め続ける
- 疲れ果てても休めない
- 過剰に周囲に合わせてしまう
- 本来の自分を押し殺してしまう
【 ポイント 】
ドライバーは、もともと自分を守るために生まれた。けれど、過剰に働くと、逆に心を苦しめてしまう。

自分のドライバーを探してみよう
【 自分への問いかけ 】
- どんなときに「無理に頑張ってしまう」自分が出てきますか?
- 自分に対して、どんな無言のプレッシャーを感じていますか?
【 ワーク記入例 】
ドライバーの兆候 | 気づいたこと |
---|---|
失敗を極端に恐れる | 「完璧であれ」というドライバーが働いているかも |
何をしても「まだ足りない」と感じる | 「努力しろ」というドライバーが強いかも |
休んでいると罪悪感を感じる | 「急げ」「努力しろ」が無意識に作動しているかも |
深く考えすぎず、思いつくままに書き出してみましょう。

ドライバーに気づくことは、自分を責めることではない
- ドライバーもまた、かつてのあなたが「生き抜くために」作り上げた戦略です。
- だから、気づいたときは、自分を責めるのではなく──
「ああ、これまで一生懸命だったんだな」「でも、これからはもっと自由に選び直してもいいんだ」と、やさしく声をかけてあげましょう。

- ドライバーとは、「〜しなければならない」という無意識の強迫的指令
- もともとは自分を守るために身につけたが、過剰に働くと心を苦しめる
- 気づくことで、ドライバーに振り回されず、自由に行動を選び直せるようになる