人生脚本の代表的なものを知りましょう。
そして、脚本を持っているか分析もしてみましょう。脚本分析と言います。
かりたてる 「ドライバー」
自分の中で親のように自分をかりたてるように命令・指示する脚本です。
私たちは、子どものときから無意識のプログラムにファイルしていくものに、親や周囲から繰り返し言わたり態度で示された指示・命令のメッセージがあります。
そして、その中で、親が子どもの状況に不満足なときに子どもをかり立てるように言うメッセージがあり人生脚本化するものがあり、それを「ドライバー」と言います。

下記の「ドライバーの代表的な人生脚本」の説明を読んで、次をノートに書いてみましょう。
- 自分がもってきた脚本だと思うものはあるか、それは何か
- それは今までの人生でどんなふうな状態として現れていたと思うか
- それをどうして脚本としてもったと思うか
今、持っていると思う脚本が見つかってもネガティブに考えないようにしてください。
例えば、私・森信人はいくつもの脚本を持っていました。脚本を持っていることを知ったおかげで、それに気をつけて脚本から脱け出すことができました。この後のページで抜け出す方法も学べます。
人生脚本を変えて、好ましい喜びの人生に変わる
ドライバーの代表的な人生脚本
ケーラーとケーパーズ博士が唱えたミニ・スクリプト理論では、ドライバーの脚本として次の5つがあります。
脚本は複数もっている場合があります。
一所懸命にやれ、もっと努力しろ
子どもの頃、繰り返し「もっと努力しろ」「もっと頑張れ」「一所懸命やれば必ず報われる」等と求められたことから持つ脚本で、「満足してはいけない」「楽しんではいけない」「楽はいけない」「気を抜いてはいけない」という禁止メッセージにもなる。
- 何でも一所懸命にすべきだ、努力が何事もかんじんだと考える。
- 何をするにも手を抜けない、気を抜けない。
- 何でも一所懸命でなければならないと考えるゆえに、取り組む優先順位をコントロールできなかったり、どれもが中途半端になってしまったりする。
- 難しい課題に取り組んでいるときには、やりがいや充実を感じる。しかし、成果があがっても喜びや満足に鈍感である。
完全・完璧であれ
子どもの頃、「ちゃんとしなさい」「間違えなくしなさい」「ていねいにやりなさい」等と求められたことから持つ脚本で、「失敗してはダメ」「ありのままではいけない」「何をしてもダメ」という禁止メッセージにもなる。
- 自分にも他者にも、間違えがあるのはいけない、完全・完璧であることを求める。
- 完全・完璧でない、不完全、間違えがあると不安や不満をおぼえる。
- 現実は完全・完璧ではないことが多いため、不完全感がつきまとう。
- 人から立派だ、優れていると思われたく、ええかっこしいをする傾向がある。表現がオーバーになり修飾してしまう。
- 話は前段や周辺についての語りが多くなり長くなり、会話が中途になるのが嫌で予定の時間ですまなくなる傾向もある。
人を喜ばせろ
子どもの頃、「人に嫌われないように」「人を喜ばせなさい」「人を満足させない」等と求められたことから持つ脚本で、「自分を優先してはいけない」「自分を大切にしてはいけない」「自分の要求を言ってはいけない」という禁止メッセージにもなる。
- より多く「人を喜ばせたい、人に親切したい・優しくしたい」と思う。
- 人への思いやりが強く、人の気持ちや立場を考え喜んでもらえるようにと努める。
- そのいっぽうで、自分も人から優しくされたい、認められたい、支持されたいという思いがあり、人に冷たくされたり拒否されるのを恐れる。
- 人に喜ばれるように振るまうので明るい人と思われる傾向があるが、自分を出せず、要求を表現することもできず、人から嫌われるのではないかと恐れている。
- 人が気にかかり自分を不自由にしてしまう。
強くあれ
子どもの頃、「それくらい我慢しなさい」「そんなことで泣かない」等と求められたことから持つ脚本で、「感情を感じてはいけない」「感じたことを口にしてはいけない」「弱みを見せてはいけない」という禁止メッセージにもなる。
- 自分に厳しい。
- めったなことで、本心で感動したり感激したりすることがない。
- 喜怒哀楽、自分の本当の感情は表に出さないようになっている。
- 弱い自分をさらけ出さないようにしている。
- 人が簡単に感動したり、感情的に振るまうことには、軽薄さや思慮のなさを感じる。
急げ急げ
子どもの頃、繰り返し「急ぎなさい」「速く!」「…は、した?!」「まだか!」等、言われたことから持つ脚本で、「ゆっくりはいけない」「じっとしてはいけない」「休んではいけない」「じっくり味わっていられない」という禁止メッセージにもなる。
- じっとしていることが苦手で、セカセカしていて何かをしていないと落ち着かない。
- 頭の中で常に「次は何をと」を考えるようになっていて、今に集中できない。
- 焦る気持ちになるときが多い。
- 食べるのが早く、食べながら後に何をするか考える。早口、歩くのが早い傾向がある。