「自分の課題」と「他人の課題」を切り分けて自由になる
未来を切り拓くためには、次の姿勢がとても大切です。
- 自分の人生に責任を持ち
- 他人の人生からは健全に距離を取る
アドラー心理学では、これを「課題の分離)」と呼びます。
なぜ「課題の分離」が大切なのか?
人間関係の悩みや、心の重荷の多くは、「自分の課題」と「他人の課題」を区別できないことから生まれます。
課題の分離」とは、簡単に言うとそれは誰の課題なのか?」を見極め、自分が責任を持つべきことと、相手に任せるべきことを分けることです。
たとえば
- 子どもが勉強するかどうか → 子どもの課題
- 上司が自分をどう評価するか → 上司の課題
- パートナーが自分をどう思うか → パートナーの課題
自分の課題に集中し、他人の課題には土足で踏み込まない。それが、自由な心を保ちながら人とつながる生き方です。
たとえば、こんな場面で…
シチュエーション | 課題を分離できないと… | 課題を分離できると… |
---|---|---|
部下が仕事をしない | 「私が何とかしなきゃ」と無理に抱え込む | 「部下が努力するかは部下の課題」と考え、適切に関わる |
恋人に嫌われるのが怖い | 必死に好かれようと無理をしてしまう | 「相手がどう思うかは相手の課題」と手放す |
親が心配して干渉してくる | 罪悪感で自分を押し殺す | 「親の心配は親の課題」と境界を保つ |
課題を分けることで、自分をすり減らさずに、他者とも健全に付き合えるようになります。

「この課題は誰のもの?」
【 自分への問いかけ 】
- あなたが最近悩んだり、気になったりしたことは何ですか?
- それは「自分の課題」でしょうか?それとも「他人の課題」でしょうか?
【 ワーク記入例 】
出来事・悩み | これは誰の課題? | 気づいたこと |
---|---|---|
友人が相談してきた問題に口を出してしまった | 友人の課題 | 見守るだけでよかったんだと気づいた |
上司に嫌われないように無理して働いていた | 上司の評価は上司の課題、自分は自分の仕事に集中すればいい | 自分を取り戻せた |
たったこれだけでも、心がぐっと軽くなり、自分の人生に集中できるようになります。

「見守る」と「介入しない」の勇気
課題の分離は、冷たく突き放すことではありません。
相手の課題を尊重する。相手が自分で乗り越える力を信じる。
それが本当の意味で自分も他人も大切にする生き方なのです。
誰の課題かを見極めること。自分の人生に責任を持ち、他人の人生には必要以上に介入しないこと。
それが、自由でしなやかな未来への第一歩です。

- 「課題の分離」とは、自分と他人の課題を切り分けること
- 他人の課題に土足で踏み込まないことで、心の自由が生まれる
- 自分の課題に集中することで、本当に自分らしい生き方ができる