行動の「目的」に気づき「未来」に向かって進む
何かがうまくいかないと、「なぜ?」と、「過去」に原因を探し、 「過去」に苦しみの理由を求めがちです。
しかし、アドラー心理学は教えます。「なぜこうなったのか?」を問うより、「これからどうするのか?」を問うほうが、人生は前に進みやすくなる、と。
アドラー心理学では、人の行動は「原因」ではなく「目的」によって動いていると考えます。
つまり──「今の行動は、どんな目的を達成しようとしているのか?」、これに気づくことが、未来を切り拓くカギになるのです。
原因論と目的論の違い
項目 | 原因論 | 目的論 |
---|---|---|
視点 | 過去に原因を探す | 未来に向けた目的を探す |
問いかけ | 「なぜこんなことになったのか?」 | 「これからどうしたいのか?」 |
方向性 | 過去にとらわれがち | 前に進むエネルギーが生まれる |
原因を探し続けると、「自分は変われない」という無力感に陥りやすくなります。
一方、目的に目を向けると、「今から選び直せる」という希望が生まれます。
たとえば、こんなふうに…
状況 | 原因論の考え方 | 目的論の考え方 |
---|---|---|
怒りっぽい性格 | 「親に厳しく育てられたから仕方ない」 | 「怒ることで相手を支配しようとしているかもしれない。どう関わりたいかを考えよう」 |
人前で話すのが苦手 | 「昔、失敗して笑われたから無理だ」 | 「自分を守るために避けている。これから、少しずつ話す練習を始めよう」 |
人を信用できない | 「裏切られた経験があるから無理」 | 「傷つくのを恐れて距離を取っている。どんな関係を築きたいか考えよう」 |
行動の「隠れた目的」に気づくと、そこから新しい未来への選択肢が見えてきます。

「私の行動の目的を探ってみよう」
【自分への問いかけ】
- 最近、うまくいかなかった行動や反応はありますか?
- その行動には、どんな目的が隠れていそうですか?
【 ワーク記入例 】
出来事・反応 | 隠れた目的 | これからどうしたい? |
---|---|---|
注意されるとすぐ落ち込む | 自分を守るために自己否定している | 自分を責めるのではなく、改善点だけを受け取る |
頼まれると断れない | 断ったら嫌われるのが怖い | 自分の限界を伝え、対等な関係を築きたい |
「目的に気づく」だけでも、あなたの行動は、変わり始めます。

「私は、これからを選び直せる」
- 過去がどうであれ、
- 今、どんな目的で生きるかは、自分で選び直すことができる。
それこそが、「未来を自分で創造する」ということなのです。
より大事なのは「なぜこうなったか」ではなく、「これから、どう生きたいか」

- 原因論ではなく、目的論で考えることで、人生は前に進む
- 行動の「隠れた目的」に気づくと、変化のチャンスが生まれる
- 未来は、今ここでの「新しい選択」によって創られる