― 未来は「誰か」ではなく「自分」が創る
ここまであなたは、アドラー心理学の、過去に原因を求めるのではなく 未来を見据えて行動する「目的論的な視点」を学んできました。
もう一歩進みましょう。アドラー心理学の核心のひとつ──それは「自己決定性という考え方です。
自己決定性とは、「自分の人生を、自分で決める力がある」ということ。
過去がどうだったか、周囲がどうだったか、環境がどうだったか、それにかかわらず── 今、これからの人生は自分で選び直せる。
この感覚を取り戻していくことが、未来を創り出す第一歩なのです。
環境に左右される人生から「自分で決める人生」へ
比較項目 | 他者決定の人生 | 自己決定の人生 |
---|---|---|
考え方 | 「あの人のせいで…」 | 「私がどう生きるかは、私が決める」 |
行動 | 流される・受け身 | 自分で選び、動き出す |
感情 | 無力感・依存 | 希望・自己信頼 |
自己決定性に目覚めると
「誰か」や「過去」に振り回されることなく、しなやかに、自分の人生を歩めるようになります。
たとえば、こんな場面で…
シチュエーション | 他者決定の場合 | 自己決定の場合 |
---|---|---|
職場で評価されない | 「上司が悪い」「私は認められない」 | 「私は、自分の価値を自分で認めて行動を続けよう」 |
親に期待されて進路を選んだ | 「親のために我慢するしかない」 | 「私は、自分の望む道を選びなおす力がある」 |
失恋して傷ついた | 「あの人のせいで私は不幸だ」 | 「私は、また新しい幸せを選んでいける」 |
自己決定とは、「過去」や「他人」から自由になること。「今ここ」から、自分自身で未来を描くことです。

「私が選び直したいこと」
【 自分への問いかけ 】
- あなたが今、「誰か」や「何か」に縛られていると感じる場面はありますか?
- そこに対して、「私はどう生きたいか?」と問い直してみましょう。
【 ワーク記入例 】
現在の状況 | 誰に・何に縛られている? | 自己決定的な選び直し |
---|---|---|
キャリアに迷っている | 世間体や親の期待に | 「自分が本当にやりたい道を選んでいい」 |
人間関係で無理している | 相手に嫌われたくない思いに | 「私は自分らしくいても大丈夫」 |
小さなところからでいい。一つひとつ、選び直していきましょう。

自由とは、選び直し続けること
- 完璧な選択なんてない。
- 失敗しても、遠回りしてもいい。
- 大切なのは、何度でも自分で選び直せるということ。
自由とは、「何があっても、私はまた選び直せる」という感覚です。

- 自己決定性とは、「自分の人生を自分で選び直す力」
- 過去や他人に左右されず、今ここから未来を選びなおせる
- 小さな選択から、自己決定の感覚を育てていこう