ステップ5

日常の基礎、土台の振返り

ステップ2からスタートした日常の基礎、土台の実践はどのようでしょう、できているでしょうか。

肉体の自己の整え・向上のため、日常の心構え・ありかたとしてはもちろん、瞑想がスムーズに取組めるようになるため、瞑想の効果が正しい方向で出るようになるためにも重要です。

ここで振り返りをして、これからいっそう実践していくようにしましょう。

八正道全体を学んだ講義で再確認することも良いことです。

十善戒(じゅうぜんかい)を守る

正語、正命、正業の戒は、職業・仕事の選択の正命以外は次の十項目を守るようにして暮らします。

身業(行動について)
  • 不殺生(ふせっしょう)故意に生き物を殺さない。
  • 不偸盗(ふちゅうとう)与えられていないものを自分のものとしない。
  • 不邪淫(ふじゃいん)不道徳、よこしまな性的関係は持たない。
口業(発言について)
  • 不妄語(ふもうご)嘘、偽りを言わない。みだりに飾ってでまかせを言わない。
  • 不綺語(ふきご)無意味・無駄なおしゃべりをしない。
  • 不悪口(ふあっく)乱暴・粗野な言葉づかいはしない。
  • 不両舌(ふりょうぜつ)人を仲たがいさせるようなことは言わない。
意業(思考について)
  • 不慳貪(ふけんどん)過剰な欲はいだかない。
  • 不瞋恚(ふしんに)憎しみ、怒り、排他的な思いは持たない。
  • 不邪見(ふじゃけん)因果を無視した誤った考えは持たない。

正思惟を心がける

欲に関しては次の心がけが重視されています。

少欲・知足で暮らす

欲が多すぎれば心は落ち着きません。迷いや不満、イラダチなども生まれやすくなります。欲が少なくて、今、現在、足りていると生きれば心は穏やかで幸多く生きることができます。過剰な欲、よこしまな欲、執着の欲は身を滅ぼしもします。

少欲とは

五根の眼(げん)根、耳(に)根、鼻(び)根、舌(ぜつ)根、身(しん)根の五つの感覚器官での欲を少なくするよう努めます。

  • 眼で見る欲を少なくする
  • 耳で聞く欲を少なくする
  • 鼻で香りをかぐ欲を少なくする
  • 舌で味を感じる欲を少なくする
  • 体に快楽を求める欲を少なくする

私たちは五根の眼耳鼻舌身と意(思い)の6つから刺激を受けて生きています。この6つへの刺激を少なくすると心は安定しやすくなります。できるだけ刺激の少ない暮らしをしましょう。

知足とは

少欲はまだ得られていないものを欲しないことですが、「知足(ちそく)」=足るを知るは、すでに得られていることに満足をすることです。

不足を思うのではなく、今あるもの、今の状態に良さ、幸せを見い出して有難いと感じる心です。

正精進を心がける

次も心を励まし努めるようにします。

  • まだ生じない(していない)悪を生じない(しない)ように努める。
  • すでに生じた(してしまった)悪は断(しないよう)に努める
  • まだ生じない(していない)善を生起(するよう)に努める
  • すでに生じた(した)善を維持(していくこと)に努める