【動画による講義】
【文字による講義】
前のページの講義で学んだように腹式呼吸のメリットは絶大です。日常生活のためにもそうですし、このステップ以降、どの瞑想の方法に取組むときも腹式呼吸ができているかで格段の差ができます。
ですから、この段階でしっかりできるようになりましょう。
できていないのに瞑想に取組んでも無駄になります。各瞑想方法に進んでから腹式呼吸をできるようになろうとしても中途半端になりがちになります。
腹式呼吸の練習法
仰向けに寝てするか、坐ってします。寝た体勢は就寝時に寝床に横になったらすると良い睡眠のためにもよいです。坐ってするのは日常生活の中で少しの時間でもしましょう。
【基本】
- 腹部の動きを確認するためオヘソのあたりに片手を軽くあてます。もう片方の手を胸の上に胸が動いていないか確認するためあてます。
- 腹式呼吸は腹部が、息を吐くと縮む、吸うと膨らむ呼吸です。空気を吸うときも吐くときも動くのは胸ではなく腹部という点に注意します。
- そして、オヘソの下、下腹部の中に空気袋があるとイメージします。
- その空気袋を縮める・膨らませるとイメージして呼吸します。息を吐くときは縮めるとイメージします。息を吸うときは膨らませるとイメージします。
- 今、上記の空気袋が呼吸で縮む膨らむのをイメージすることを、両手を指定の位置にあててて試してみましょう。目は開けていてもつぶってもどちらでもよいです。つぶったほうがイメージしやすいときはつぶります。
【基本以降の取組み】
基本をまもって次のようにします。
- 息を吐くときは、口を少しすぼめ「スー」か「フー」と空気に音をつけるようにして、10秒ほどかけて、腹部の空気袋が縮んでいくのを心の目で見てるようにして吐きます。
- 息を吐ききり空気袋が縮みきったら、今度は鼻で吸います。腹部の空気袋が膨らんでいくのを心の目で見ながら10秒ほどかけて吸います。吐くときは口、吸うときは鼻です。
- そして、腹部が膨らみ、空気を吸いきったら1に戻ります。
- 今1~3を2回試してみましょう。
- 練習は、この繰り返しを1度に4回位からはじめて、なれてきたら回数を増やします。
- そして、回数を増やして何度か練習したら、息を吐くときも鼻から吐くようにします。
腹式呼吸は重要
瞑想は腹式呼吸ができていないと、適切に取組みができず、思うようにいかなったり効果が薄くなってしまったりします。弊害も出やすくなったりします。
腹式呼吸は、息を吐く時も吸う時も動くのは腹部だけで、腹部以外はほとんど動かないようにすることが重要です。
寝た体勢でする場合は、体全体がリラックスできていてピタッと背中全体が床についているかも気にしましょう。もし床から離れているとしたら、力が入っている可能性がありますので呼吸とともに体をゆるめるようイメージします。
丹田呼吸までしたい場合
腹式呼吸の丹田(たんでん)呼吸は、心身のリラックスや安定、集中により適している呼吸です。瞑想と生きることにさらにプラスの効果を得たい場合には価値のあることです。
オヘソより9センチ位下が膨らみ縮むように呼吸をします。腹式呼吸の練習をある程度して、空気袋・風船がある位置をオヘソより下にイメージして練習すると丹田呼吸の練習になります。
丹田とはオヘソの下、ヘソ下三寸(さんずん)と言われるオヘソより9センチほど下のお腹の中、皮膚から4センチほどのことで、「気海」と言い、生きる力の「気」の重要なたまり場です。物事に動ずることなく、確固とした生き方をできている人を「腹がすわっている人」と言いますが、そういう人は丹田に気が充実していています。
丹田に気が多いと体・心は安定を増し元気・健康で、少ないと不安定、弱気・病気になります。丹田呼吸は日々の心身の状態、ありかたの状態、暮らし・人生のありようにも影響があります。
丹田呼吸の特別練習
また特にしっかり練習したい場合は、普通に座って下記の三呼一吸を12回、緩息を3回で1セッションとして、5セッションが基本です。
三呼一吸
前に体を傾けて、みぞおちの下のくびれを深くして、丹田(下腹部)を意識し丹田に力を入れるようにして、口で「ハッ・ハァッ・ハァッー」と言いながら息を吐ききる。上体を元に戻しながら鼻で息を吸い体を伸ばし、息が丹田に入るようにする。
緩息
丹田で呼吸すると意識しながら、首と肩を上に向け、背骨をしっかり伸ばして息を吸う。息を吐くときは、下を向きながら全身の筋肉をゆるめる気持ちでリラックスする。
日常での訓練
日常も丹田、下腹部を意識して、最初は少し力が入るようにして丹田での呼吸をするようにして、しばらく暮らすようにします。
慣れてきたら力を入れないでも丹田で呼吸できるようになりますが、完全に身につくまでは元の呼吸のしたかに戻るので、戻ったら、また意識して上記のようにします。