ステップ2

坐禅の方法2

【動画による講義】

【文字による講義】

坐禅の方法2は全体のやり方です。

瞑想状態の部分は、坐禅の方法1の瞑想状態の呼吸の仕方・心の持ち方を用いるようにします。

取組む準備

体を締めつけられない服装で取組みます。腕時計や装飾品ははずします。

時計やスマートホンは、目に入らない・手の届かないところに置きます。時間を区切らないといけない場合には時計のアラーム設定をして対応します。

瞑想状態までの手順

1.坐蒲に坐る

坐蒲(ざふ)または坐蒲の代わりを、床に直接か座布団を敷いてその上に置きます。

そして、ドカッと坐るのではなくて前半分程度にお尻を乗せて浅めに坐ります。

2.足を組む

結跏趺坐(けっかふざ)や半跏趺坐(はんかふざ)、またはミャンマー人のあぐらをします。どれも難しいときは、正座をして座布団を二つ折にして両足の間のオシリの下にして、そこに坐ります。

結跏趺坐は、まず右の足を左モモの股の近くに深くのせ、次に左足をその上にのせ股の近くまで寄せます。足の指先が股の外側になるような感じにすると深くのせることができます。

半跏趺坐は、右足を左モモの下、股の近くまで深くいれて、左足を右モモの上、股の近くまで引き寄せて深くのせます。

ミャンマー人のあぐらは、右足をまず曲げて足の裏を股間まで引寄せ、左足を右足の前、右足につかない程度に引寄せます。

どの足の組みかたも左右の足が上記の説明の逆でも構いません。結跏趺坐や半跏趺坐は上記の場合を吉祥坐(きちじょうざ)または蓮華坐(れんげざ)、悟りを開いた者の坐法と言います。逆は降魔坐(ごうまざ)、修行中の姿をあらわす坐法と言います。

3.手を組む

指を軽く閉じて、組んだ足の上に、まず右手の甲をのせて、次にその上、右手の手のひらの上に、左手の甲を指が重なる程度にのせます。そして、両手の親指の先が軽くふれる位にして卵型の空間ができる法界定印(ほっかいじょういん)をします。

※足の組みを左右逆とした場合は手も左右逆にします。

組んだ手は、両手の親指がオヘソの前にくるくらいの高さにして体に引き寄せて、腕と胸の間は離して楽にします。

4.姿勢をつくる(正身端坐)

次のような姿勢にすると、腹部も力が入っていることがなくすっと伸びて腹式呼吸がしやすく、この姿勢が慣れてくると長時間坐り続けやすくもなります。

  1. 両肩、両腕の力を抜いて、あごをひきめにして、両膝をさげて床を押さえるようにします。
  1. そのまま頭のてっぺんを天井を突き上げる心持ちで、背筋をまっすぐに伸ばし、首筋を伸ばし、耳と肩、鼻とヘソとが床に垂直一直線になるようにします。
  1. お腹は出さず、オシリの穴を真下ではなくて少し後方に向くようにして、腰をしっかりきめます。そして下腹を下に落とした気持ちにします。左右の膝の外側を床につけるようにします。
  • 重要なのは左右の膝とオシリの3点で上体をしっかり支えることです。

姿勢を良くしようとして腰をそらさないように注意します。頭のてっぺんから腰まで頭・背中が垂直にまっすぐで、腰から立ったまっすぐな背骨に頭・上半身が上下左右に全く重みの負荷をかけずに乗っているようにします。

坐禅は特に「調身、調息、調心」、正身端座で姿勢を整えることで息が調い、心が調うと言って、姿勢を大事にします。

適正な姿勢ができていると腹部が伸びて力みがゆるみ、腹式呼吸をしやすくなるのがわかります。また正身端座の姿勢で壁に背をつけると、背骨がまっすぐ立っていて、腰、背中、肩甲骨、後頭部がまっすぐすべて壁につく姿勢になっています。

あごをひいて、頭のてっぺんを天井を突き上げる心持ちで伸ばして首筋・背中を伸ばすようにするのが秘訣です。頭のてっぺんが天井につり上げられている心持ちとしてもよいです。瞑想状態中に姿勢が崩れてきたらこの秘訣を使って姿勢を修正することもできます。

5.半眼にする

目は半眼=ほんの少し開き、視線は斜め下45度、1メートルほど前におとします。何も見てはいないようにします。開いているか・いないかわからないほどにしてもよいです。

※今まで瞑想に取組んできた経験があり目を閉じてしていた場合は閉じてもかまいません。

6.欠気一息(かんきいっそく)

  1. 口で息を、お腹から大きく吐き出すように深呼吸します。2、3回します。
  1. 終わったら口を閉じて、鼻で呼吸します。舌の先を軽く上の歯の裏にそっとつけます。
  1. 腹式呼吸をはじめて、このタイミングでリラックス、心を静めていくスイッチを入れる感じにするとよいです。

7.左右揺振(さゆうようしん)

上半身を左右にゆっくり動かして、体のリキミを取り伸び伸びとさせて姿勢を決めます。

  1. 背筋を伸ばしたまま、体をゆっくりゆっくりと傾けて戻します。
  1. 右にゆっくりゆっくり傾けて、ゆっくり戻します。
  1. 左にゆっくりゆっくりと傾けて、ゆっくり戻します。
  1. 右にゆっくりゆっくり傾けて、ゆっくり戻します。真ん中にきたら真っ直ぐにしてとめます。

ここでもう一度、頭のてっぺんで天井を突き上げる心持ちで、背筋を伸ばし、姿勢を正しましょう。

8.瞑想状態に入る

前ページの講義の「坐禅の方法1」のしかたをします。

このステップの禅の坐禅の取組みでは、ただただ一息一息、呼吸をしていることに注意をし続けるようにして、まず心身がリラックスができることを目指します。

終わりかた

  1. 手をゆるめる。
  1. 体を左右にゆっくり何度か動かしてゆるめる。
  1. 足をゆるめ、足の組みを解く。

目標

まず、これは、坐る瞑想の手順の基本になるため、それを覚えるために、何も見ずにスムーズに取組めるようになりましょう。

そして。心身のリラックスができるようになりましょう。

このステップの禅の坐禅の取組みでは、ただ呼吸をしていることに注意をし続けるようにして、まず心身がリラックスができることを目指します。深い集中は、次のステップから追求します。