【動画による講義】
【文字による講義】
ステップ3で坐禅に取組んでいた時間をアーナパーナの坐る瞑想にします。
やり方は、坐るところから瞑想状態に入る前までと、終わり方は坐禅とほほ同じです。次の点と瞑想状態のやり方が違います。
次の部分だけ坐禅とは変えてください。
- 足の組みかたは、結跏趺坐や半跏趺坐はせずミャンマー人のあぐらをします。右足を曲げて足の裏を股間まで引寄せ、左足を右足の前につかない程度に置きます。左右の足は逆でもいいです。

- 手の組みかたは法界定印はせずに、次のように下腹部の前で、片方の手のひらの上にもう片方の手の甲を自然に載せます。

- 眼は半眼ではなく閉じます。
- このステップで開始する慈悲の瞑想をセットで一緒にするときは、左右揺振の後、アーナパーナの瞑想状態に入る前にします。
瞑想状態の対処のし方
左右揺振のあとの瞑想状態ではアーナパーナの基本をします。
アーナパーナの基本で、一息一息の呼吸の吸う・吐く・止まる息に気づき息を把握することに注力し続けます。
そして、思考や記憶や想像、感情や心の状態が現れてきたら、それに関わること、とらわれることなく、平静に呼吸への注力、息の把握を続けます。
体の痛みやかゆみ、快・不快の感覚が現れても、それにとらわれず、かかわることなく平静に呼吸への注力、息の把握を続けます。ただし、心身の不調がある場合は無理はしないようにします。
坐禅と同様に集中しようとする必要はありません。息の把握から心が離れて思考をはじめてしまっていたら、静かに息の把握に戻ります。そのたびごとに平静に息の把握に戻ります。
そうして、ステップ3の坐禅よりも長い時間できるように、リラックスが深まるように、集中が深くなるように取組んでいきます。
取組みかたのレベルを上げていく
繰り返し取組んで、息の把握がしっかりできるようになり、息が静まり、心が静まり、リラックスも集中も深くなるようにある程度なってきたら取組みかたをレベルアップしていきます。
レベルアップの段階
経典『アーナパーナサティ・スートラ』にそって説明します。
段階1と2
アーナパーナは、まず段階1と2で、自然な呼吸をアーナパーナの基本のやりかたで把握する(知る)ことに繰り返し取組みます。
- 息を長く吸っているときには、「息を長く吸う」と知り、息を長く吐いているときには、「息を長く吐く」と知る。
- 息を短く吸っているときには、「息を短く吸う」と知り、息を短く吐いているときには、「息を短く吐く」と知る。
そうして段々と息は調い、静かでリズムの乱れがなくなめらかな息を把握している状態になり、心は深く静まり、体は力が抜けてとてもリラックスしてきます。
段階3と4
そして、続きの段階3、4に進みます。
- 「全身を感じながら息を吸おう、全身を感じながら息を吐こう」と訓練する。
- 「全身を静めながら息を吸おう、全身を静めながら息を吐こう」と訓練する。
段階3で、静まった息の把握を静かに続けながら、力が抜けてリラックスしていて呼吸と共に静かに動く全身を感じながら呼吸するようにしていきます。
段階4で、さらに全身がリラックスして静まっていくように、静かに静かに呼吸をしていきます。