【動画による講義】
【文字による講義】
アーナパーナの歩く瞑想は、呼吸への集中とともに歩く行為に集中するやり方で、ひじょうに集中の力、今ここに集中できる力を育てます。
歩く瞑想の取組みは大切です。
一般では坐る瞑想に取組むことが多くほとんどですが、ミャンマーなど本場では、サヤドー・長老から歩く瞑想に取組むようにととても勧められます。坐る瞑想以上に重視されることもあります。
歩く場所を決めましょう。直線で3、4メートルあれば十分可能です。
やり方
両手はオヘソの前あたりか後ろで腰のあたりで重ねておきます。
視線は1メートルくらい前の下を見ます。歩いている間、立ち止まっている時、きょろきょろ周りを見たりはせず、ずっと前を見てます。
体はまっすぐにして、足は見えない姿勢、視線で歩きます。
吸う息、吐く息の呼吸に合わせて、歩く行為に注力・集中して歩きます。呼吸の把握と歩みの両方に注力して集中している形になります。
心の中で言葉を唱えるリラックス・集中を助ける方法は使いません。
歩き方
- まず、両足をそろえて立ち、アーナパーナの基本を少しします。
- 吸う息が始まると同時に右足のカカトを上げはじめ、しだいに右足の裏を床から離し、つま先を上げて、右足の裏を床に水平にします。
- 息を吐きながら、水平にしたまま右足を前に進め、水平のまま床に下ろしていきます。右足の裏すべてが床に着くまで左足のカカトは上げません。
- 右足を下ろす位置は右足のカカトが左足の指先と同じライン位にします。
- 次の吸う息が始まるにしたがって、左足のカカトを上げはじめ、しだい左足の裏を床から離し、つま先を上げ、左足の裏を床に水平にします。
- 息を吐きながら、水平にしたまま左足を前に進め、水平のまま床に下ろしていきます。左足の裏すべてが床に着くまで右足のカカトは上げません。
- 左足を下ろす位置は右足と同様に、左足のカカトが右足の指先と同じライン位にします。
- このように右足、左足を同様に繰り返して歩きます。
呼吸と足の動作に注力して、吸う息、吐く息に足を合わせます。
ここでは最初の一歩を右足からとしましたが左足からでもかまいません。
方向転換のし方
- 端まで歩いたら両足をそろえて止まり、立ち止まったままアーナパーナの基本で呼吸を数回します。
- それからアーナパーナの基本で呼吸をしながら向きを変え、向きなおったらアーナパーナの基本で呼吸を数回して、それから上記の歩きかたで歩きます。
心身の現象への対処
思考や記憶や想像、感情、心の状態、快や不快などが現れても、それにはかまわず呼吸と歩みに専念します。
考え事をしたり、現れたことに巻き込まれていることに気づいたら、呼吸と歩みへの注力・集中に戻ります。