【動画による講義】
【文字による講義】
ヴィパッサナー瞑想は気づきの瞑想です。
では何に気づくようにするのか。ステップ4では手動瞑想、ボティスキャン瞑想で気づきに取組みましたが、取組みをいっそう広げ深めるために学びましょう。
まず「気づく」というと、目の前のものをしっかり見てそのものにしっかり気づくとか、食べ物の味にしっかりと気づくことなどのように思うことがありますが、それとは違います。
ヴィパッサナー瞑想は、メタ認知=自分を客観視する認知の気づきの力と習性をつけることなどが目的。ですから、その力を開発するヴィパッサナー瞑想の「気づく」は違います。注意してください。
自分の外にでなく自分の内に気づく
ヴィパッサナー瞑想は、気づく対象は自分の外についてではなく自分、自分の内です。自分の外にあるもの・ことに対しても、そのもの・ことについて細かく強く気づこうとするのではなくて、そのもの・ことを対象に自分の内に起きていることに気づくようにします。
例えば、坐る瞑想をしていて音が聞こえます。

私たちは普通、音が聞こえると意識・無意識で、その音は何の音かと知ろうとして知り、何の音と認識しますが、何の音の「何」は自分の外のものですから、ヴィパッサナー瞑想では何の音か知ろうとはしません。
意図的に音を探るようなこと、感じようとすることもしません。耳が音に触れた、音に意識が向いている、音を何の音と認識しようとしている・していること、音により起きている思考・気持ちなど、自分の内に気づくようにします。

例えば犬の声が聞こえると思ったとき、犬の声は自分の外のもの、自分の内には音を受け取ること、何の音かと聞き取ろうという意識や犬の声だという認識などが生まれています。
ヴィパッサナー瞑想はその音を何の音と知ろうとしたり、よく聞こうとするのではなく、自分の内に現れている音を受け取っていることや聞き取ろうとしている意識や犬の声と判断して認識したことなどにただ気づきます。

例えば、日常生活でヴィパッサナー瞑想の日常の取組みをしていて、花を見たら、その花の形や色などをしっかりと見てというのではなくて、花を見た自分、見ている自分、そして、もしきれいだとかいいなぁ等と思ったら、きれいだ、いいなぁ等と思っている自分に気づくようにします。
ヴィパッサナー瞑想は自分の外ではなく、自分の心と体、自分の心と体に現れること・現象に常に気づくことをします。メタ認知は、自分の認知に客観的に気がつける力ですからそのようにします。
自分の外へ意識を向けるよりも自分の内に意識を向けて自分を観察していて自分の内に気づくようにしていると、そのようになってきます。
さらに、ステップ6以降の本格版のやりかたに入り、その取組みを続けていけば、自分の内に現れていることにしだいしだいに細かく細かく気づけるようになってきます。
例えば、自分の心が音を受け取った、聞き取ろうとしている、犬の声と判断した等のように瞬時に気がつけるときがきます。