ヴィパッサ―瞑想で開発され養われる気づきはメタ認知で、その気づき方はステップ1の講義でも学びましたが、次になります。
正念=自分を客観的に常に認識・認知するメタ認知。いつも今この瞬間この瞬間の「自分に」正しく気づいていること。
正念の正しい気づきは
対象を「これは〇〇だ」ではなくて、「今、私に」〇〇している、〇〇と見ている、聞いている、感じている、評価・判断している心・体の現象が現れているという気づき方をします。
本来のマインドフルネス・正念な人になってくると例えば
- 食べ物を甘いと感じたとき「この食べ物は甘い」ではなくて「(今、私に)甘いと感じている心の現象が現れている」というように気づく。
- 誰かの言葉で不快になったとき「不快な言葉だ」「不快な人だ」等ではなくて、「(今、私に)不快に感じる心の現象が現れている」等のように気づく。
- 体に痛みが起きたとき「痛い」ではなくて、「(今、私に)痛みという体・心の現象が現れている」等のように気づく。
この気づきかたは、対象をこれは何々だという認識や判断を持つのとは違うことになりますから、対象に巻き込まなくなります。また「今の自分に」として気づくので、それに固執することもなくすむようにもなります。そのほか大きなメリットがあります。
ヴィパッサナー瞑想の繰り返しの取組みによって正念にいつもいられる人になると、日常のあらゆる場面でいつも「自然に」このような気づき方をする在りかたになり、毎日や人生は変わってきます。
自我のままにならず、本来の自分を生きる人になれる
上記のような気づき・自覚ができなければ、その時その時の「自我」による反応、思考・感情のままになってしまいます。それは毎日を人生を混乱や苦悩のものにします。
多くの人は「自我」による反応、思考・感情を自分の心、本来の自己と思っていますが、自我はそうではないので、自我のままになっていると本来の自分から離れてしまうことになります。それは意識・無意識の大きなストレスの原因にもなります。
気づきの瞑想のヴィパッサナー瞑想に取組んで開発される気づきの習性と力は、自我のままになることを防ぎ、本来の自分を生きられるようになる貴重な習性と力になります。