本格版の瞑想については特に、動画と文字による講義の両方で学び理解するようにしてください。
【動画による講義】
【文字による講義】
本格版の歩く瞑想は4つのレベルで段階的にやり方のレベルを高くしていきます。このページでは、すべてのレベルに共通のこととレベル1のやり方を説明します。
ミャンマーなど本場の修行・トレーニングでは、ヴィパッサナー瞑想の歩く瞑想は気づきの対象の足の動きが明瞭で、本格版のやり方はさらに気づきの力を高めやすく効果を進展させることにひじょうに適しているので、特に実践するよう指導されます。
私が高い効果、洞察の智慧を特に得られたのも本格版の歩く瞑想のおかげのところが大きいので、ぜひ取組んでください。
やり方の基本(全レベル共通)
簡易版よりも動作と心身の現象への気づきとラベリングを細かくします。あとは簡易版と同じですが同じ点も解説します。
歩く場所は直線で3、4メートルあれば十分可能です。そこを往復するようにします。
- 手は下腹部の前か腰の後ろで、自然に両手を重ねます。目は軽く開いている程度にします。
- 前かがみにならないようにして、視線はまっすぐ前の斜め下、目安として足の6個分位前に向けて、周囲に向けないようにします。足は見えないようにします。
- 足の動作のしかた、あげかた、進めかた、下ろしかた、歩幅は、アーナパーナの歩く瞑想やヴィパッサナーの簡易版の歩く瞑想と同様にします。
- 呼吸は意識せず普通にします。呼吸と歩調を合わせようとする必要はありません。
レベル1のし方
ゆっくりゆっくりと動きます。
歩く瞑想はそれだけでしてもよいですし、坐る瞑想とセットで坐る瞑想の前にしてもよいです。できれば1日1回はセットにして取組むとよいです。
はじめから長めの時間でもよいですし、5分間位からはじめて長くしていくのでもよいです。ちなみに本場のミャンマーの修行・トレーニングでは最初から30分間以上です。
歩みの進めかた
心の中で動かす足に注意を向けて、一歩一歩をただ一歩と歩むのではなくて、瞬間瞬間の足、足の動き、足の感覚、動作にともなう心に、できるだけ細かく細かく気づくようにしながらラベリングもして歩きます。動作をスローモーションで観ていくように気づきながらしていきます。
歩き出すのは左足・右足のどちらでもよいですが、ここでは左足からにした説明をします。
- 両足をそろえて立ちます。
- 左足に注意を向け、できるだけ細かく細かく気づくようにしながら、上げた瞬間に気づき「左」とラベリングし、上げている間、進める間、下ろす間ずっと気づきと「左、左…」とラベリングをします。ラベリングは一歩について何度唱えてもよいです。
- 右足に注意を向け、できるだけ細かく細かく気づくようにしながら、上げた瞬間に気づき「右」とラベリングし、上げている間、進める間、下ろす間ずっと気づきと「右、右…」とラベリングをします。ラベリングは一歩について何度唱えてもよいです。
- こうして、左足、右足と歩きます。
方向転換のしかた
方向転換をする位置まできたら両足をそろえて立ち止まります。
- 立ってる足に気づきながら「立っている、立っている」と何度かラベリングします。
- 向きを変えながら、変えている瞬間瞬間に気づき「向きを変えている、向きを変えている…」とラベリングします。
- 向きなおったら、立っている足に気づきながら「立っている、立っている」と何度かラベリングします。それから、また歩き出します。
ラベリングがかけ声となり足や体が動くようにしないように、ラベリングの言葉が足や体を動かす力にならないように注意します。ラベリングは現れている現象に対してします。
心身の現象への対処(全レベル共通)
歩いていて心身の現象が現れたら、現れた瞬間にそれに気づくようにしてラベリングをします。
それに反応や判断、思考はしないようにして、現れが現れている間は、現われの瞬間瞬間に気づき続け、現れに合った言葉でラベリングを続けます。例えば
思考や記憶や想像、感情、心の状態
歩いたまま現れた瞬間に気づくようにして「考えている」「思い出している」「想像」「怒りを感じている」等とすぐにラベリングして、現れがなくなるまで瞬間瞬間の現れに気づき続けるようにしてラベリングも続けます。そして、現れがなくなったら歩みの気づき・ラベリングに戻ります。
なかなか現れがなくならない場合は、歩みの動きを止め、現れがなくなるまで気づきとラベリングを続けます。そして、現れがなくなったら歩みを再開して歩みの気づき・ラベリングに戻ります。
周りや何かを見たくなったら
すぐにその思いの現れに気づき「見たいと思っている」や「願望」等とラベリングします。現れがなくなるまで瞬間瞬間の現れに気づき続けラベリングも続けます。現れがなくなったら、歩みの気づき・ラベリングに戻ります。
現れがなかなかなくならない場合は、歩みの動きを止め、現れがなくなるまで気づきとラベリングを続けます。そうして現れがなくなったら歩みを再開して歩みの気づき・ラベリングに戻ります。
カユミや痛みなどの体の感覚
すぐにその感覚の現れに気づくようにして「かゆみ」や「痛み」等とラベリングします。感覚の現れがある間は歩みの動きは止め、感覚の現れがなくなるまで観察しながらラベリングをします。なくなったら歩みを再開して、歩みの気づき・ラベリングに戻ります。
なお、できるだけ現れがなくなるまで気づき、ラベリングしたほうがよいですが、なかなかなくならない場合は、現れはそのままに、歩みを再開して、歩みの気づき・ラベリングに戻ってよいです。
音やにおいに心が向いたら
歩く瞑想の場合は、その心の現れにすぐ気づき、歩み続けたまま「聞いている」「かいでいる」等と3回ラベリングして、歩みに注意を戻し、歩みの気づき、ラベリングに戻ります。本格版の歩く瞑想は自分の外部への気づきはこれで済まします。