連載開始:こころの灯をともす仏教の言葉【連載のはじめに】

日々の暮らしの中で、ふと立ち止まってしまうことはありませんか。
何かに悩んでいるとき、気持ちが晴れないとき、誰にも言えない不安や孤独を抱えているとき、そんなとき、何気ない言葉に救われることがあります。あたたかく、やさしく、心に灯をともしてくれるような、そんな言葉。
仏教に息づく智慧をもとにした連載「こころの灯をともす仏教の言葉」を始めることにしました。
仏教には、生き方のヒントになる言葉、迷いや不安を抱えた人に寄り添う言葉が数多くあります。この連載は、仏教の言葉をテーマに、静かな語り口で仏教の教えやストーリーをお届けします。
仏教は特別な人のためのものではありません
仏教と聞くと、少し堅苦しく感じる方もいるかもしれません。難しい教えや古い言葉、お寺やお坊さんの世界というイメージが先に立つこともあるでしょう。
でも、仏教の言葉はもともと、誰もが抱える「生きる苦しみ」や「心の揺れ」に寄り添うために生まれたものです。
たとえば
- 無常 ― すべては移ろいゆくからこそ、今を大切に
- 自灯明・法灯明 ― 自分と教えをよりどころにして生きなさい
- 一日一生 ― 今日という一日を、まるごと生きる
- 一水四見 ― 同じものでも、人によって見え方はちがう
こうした仏教の言葉は、悩んでいるとき、誰かに傷つけられたとき、前に進めないと感じるとき、そっと手を差し伸べてくれる心の言葉でもあります。
この連載でお届けしたいこと
仏教の言葉を一つずつ取り上げ、その意味や背景をやさしい言葉でご紹介していきます。
- 難しい専門用語はできるだけ使わず
- 読んだ人がほっとできるような語り口で
- 日常に照らしながら、実際に生かせるヒントを
そして、仏典のストーリーや禅僧の言葉、たとえ話なども交えて、読むだけで心が少し軽くなるような文章、役立つ文章を目指しています。
こんな方に読んでいただけたら
- 日々の忙しさに追われて、自分を見失いそうな方
- 誰かの言葉に傷つき、心を閉ざしてしまった方
- 生きることに疑問を感じたり、立ち止まってしまっている方
- 仏教の言葉に関心はあるけれど、難しそうで手が出せなかった方
灯(ともしび)のような言葉を届けたい
タイトルの「こころの灯をともす」という言葉には、次のような想いを込めました。
私たちの心の中には、誰にでも小さな灯火がある。でも、それが見えなくなるときがある。風に吹かれて、かき消されそうになることもある。
そんなとき、そっと明かりつけるように、ひとつの言葉が、もう一度、歩いていかれるあることを、希望を思い出させてくれる。この連載は、そんな灯火を分かち合うための場所にしたいです。
まずは4本の記事からスタートします
まず、次の4つの言葉をテーマにした記事を掲載予定です。
- 自灯明・法灯明:自分の中に光を見つけるという生き方
- 一水四見:見え方のちがいが、心を自由にする
- 一日一生:今日という一日を、まるごと生きる
- 無常:変わっていくことが、救いになるとき
どれも、今の世の中に必要なメッセージが込められた言葉す。あなたが必要なときに必要な言葉と出会っていただけたら嬉しいです。
最後に
私は、仏教を通じて、たくさんの人の悩みと出会ってきました。そして気づかされたのは、苦しみの奥には必ず光があるということです。
この連載が、読んでくださる方にとって、その光に出会うきっかけになればと、心から願っています。どうか、静かに心にしみ込んでいくような時間を、この言葉たちとともに味わっていただけますように。
これから、どうぞよろしくお願いします。応援よろしくお願いします。
合掌